rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

29 4月

グローバル英語のスタイル(28):名詞節を導く that を省略しない

「動詞/動詞句 + that + 名詞節」(※)という構文がある。この場合、文の構造を明確にするために that を省略しないようにする。

Style Guide の例:
× A check mark next to the table name indicates [the table has been selected].
○ A check mark next to the table name indicates that [the table has been selected].
(参考訳:テーブル名の隣にあるチェック マークは、そのテーブルが選択されていることを示します。)

[ ] 内の部分が名詞節である。that を使うことで文の構造が明確になり、特に非ネイティブにとって読みやすくなったり、機械翻訳の精度が向上したりする。

別の例を引用する。
× Suppose the data is all numeric and it is currently stored in a raw data file.
○ Suppose that the data is all numeric and that it is currently stored in a raw data file.
(参考訳:データはすべて数値であること、および現在そのデータが生データ ファイルに保存されていることを想定します。)

この文では suppose の対象が、2 つある that 以下に書かれている。それぞれの名詞節に that を繰り返すことで、文の構造が明瞭になる。

このような動詞や動詞句には次がある。
assume、be sure、ensure、indicate、make sure、mean、require、specify、suppose、verify


※ 確認になるが、「節」とは S + V 構造を持つもの、「句」とは持たないものを指す。


・本項目は、Style Guide の「6.3」の内容に該当する。
・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・背景が濃くなっている部分は引用箇所である。

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27 4月

グローバル英語のスタイル(27):列挙される名詞句のそれぞれに冠詞を付加することを検討する

複数の名詞句が列挙されているとき、定冠詞が必要なものと不定冠詞が必要なものが混在していれば、それぞれに冠詞を付けるようにする。
Style Guide の例:
× The base dictionary, user-defined dictionary, and document-specific dictionary can all be used by the spell-checking software.
The base dictionary, a user-defined dictionary, and a document-specific dictionary can all be used by the spell-checking software.
(参考訳:基本辞書、ユーザー定義の辞書、およびドキュメント固有の辞書は、すべてスペルチェック ソフトで使用できます。)

ここでは「base dictionary」のみが、(例えばスペルチェック ソフトに付属していて)何を指しているか読者にとって明白であるため、the を使用している。その他は a となる。

また、次のようなケースでも Style Guide はそれぞれに冠詞を負荷することを推奨している。
× If you choose to create an applet, application, console application, or servlet, you can set the following options.
○ If you choose to create an applet, an application, a console application, or aservlet, you can set the following options.
(参考訳:アプレット、アプリケーション、コンソール アプリケーション、またはサーブレットを作成する場合、次のオプションを設定できます。)

母音で始まる不定冠詞は「an」、子音で始まる不定冠詞は「a」である。列挙される名詞句にこの両者が混在する場合、各名詞句に不定冠詞を加えるこということである。



・本項目は、Style Guide の「6.2」の内容に該当する。
・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・背景が濃くなっている部分は引用箇所である。

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22 4月

グローバル英語のスタイル(26):節全体を指す場合に which は使わない

Which を関係代名詞として使う場合、特定の名詞を指すようにする。直前の節全体を受けるような使い方もあるが、一部の言語では翻訳が難しくなるので避けた方がよい。
Style Guide の例を 2 つ引用する。
× The IMPORT command skips over symbolic links, which is a problem because many of the required files are installed as symbolic links.
○ The IMPORT command skips over symbolic links. This behavior causes a problem, because many of the required files are installed as symbolic links.
(参考訳:IMPORT コマンドはシンボリック リンクをスキップします。必要なファイルの多くはシンボリック リンクとしてインストールされているため、この動作では問題が発生します。)

前者では which が下線の節全体を受けているのに対し、後者ではいったん文を切り、behavior という名詞を補って別の文として書き始めている。

上記の例のように名詞を補って文を独立させる方法のほかに、文をつなぐ言葉(because、as a result など)を補って文を独立させる方法もある。書いている側からすれば思考の流れが分断されてしまうような気もするかもしれないが、読む側からすれば論理的なつながりを把握できるので、理解しやすい。



・本項目は、Style Guide の「5.3」の内容に該当する。
・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・背景が濃くなっている部分は引用箇所である。


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筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
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