rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

8 7月

肉食、草食、雑食

以前にクローズドな SNS に書いたのですが、意外に好評だったので、加筆・修正してブログにも再掲しておきます。
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最近「肉食」とか「草食」とかは、男子を形容するようですね・・・。

ところでこれらを英語で何と言うかご存知ですか?

  肉食 → carnivorous
  草食 → herbivorous
  雑食 → omnivorous

何だこりゃ、見たことない単語だ!という感じがするかもしれませんが、よく見ると、後ろ半分が同じですね。
-vorous」となっている。
そう、これはラテン語の語源で、「食べる」とか「むさぼる」とかいう意味です。

で、残った最初の半分を見るとこうです。

  肉 → carni
  草 → herbi
  雑 → omni

carni」というのは、carnival(カーニバル)の carni で、”肉”の意味です。
カーニバルは「謝肉祭」ですね。
それで、carni + vorous で「肉食」となります。

herbi」というのは、見てのとおり herb(ハーブ)、すなわち”草”です。
herbi + vorus で「草食」となります。

最後の「omni」というは、omnibus(オムニバス)の omni で、”たくさんの”とか”すべての”とかいった意味です。
omni + vorus で「雑食」です。

こうやって語源で覚えると語彙数を一気に増やせます。


せっかくなので、上記の語源から別の単語も覚えてみましょう。

-vorous (食べる) から・・・
  voracious → 【形】貪欲な、食欲旺盛な

carni- (肉)から・・・
  reincarnation → 【名】輪廻転生

これは、re (再び) + in (入る) + car (肉) + 〜tion (名詞を作る語尾)、つまり”再び肉体をまとう”といったニュアンスです。

herb- (草)から・・・
  herbicide → 【名】除草剤

ついでに -cide というのは「殺す」という意味です。
suicide(自殺)とか、homicide(殺人)とか、patricide(父殺し)とか、たくさんあります。
ちなみに殺人の homi- homo と同じで、人という意味です。「ホモ サピエンス」もここから由来しています。
あと「父殺し」があるなら「母殺し」はあるのか、という疑問がわくかもしれません。
あります。matricide です。さらに「兄弟姉妹殺し」もあって fratricide と言います。

omni- (たくさんの、すべての)から・・・
  omnipotence → 【名】全能

-potence というのは”力”という意味です。potential(ポテンシャル、潜在能力)などです。


語源をたどっていくと面白い発見があります。
7 7月

トライアルを作る

翻訳業界には「トライアル」なるものがあります。

私が知る限りでは、
  (1)翻訳を発注したい会社が翻訳会社を選定するために行なうテスト
  (2)翻訳会社がフリーランスの翻訳者を選抜するために行なうテスト
の 2 種類があります。
いずれの場合も、「仕事を出す先」をテストするわけです。

今、(2)の意味でのトライアル課題文を作っています。
(さすがに内容については言えませんが)

これまでにも作ったことはあるのですが、何度やっても悩みます。
このテストで翻訳者を選抜するわけですから、あまり簡単では駄目だし、かといって現実に遭遇しないようなひねくれた文を出しても実力は測れない・・・。
などと思っていたら、こんな本があるんですね。

「トライアル現場主義!―売れる翻訳者へのショートカット」
http://www.amazon.co.jp/dp/4621076043

ただ、トライアルというのは各翻訳会社で重視する部分が違ったり、どのレベルの翻訳者を募集しているかで合否基準が異なったりするので、対策を立てるのは簡単ではないでしょう。
5 7月

Google Translator Toolkit の使い方: 中級編(2)グロッサリ

※ この記事は 2009 年 7 月に書かれたものです。内容が古くなっている可能性があるためご注意ください。(2010/10/31)


中級編(1)翻訳メモリ」に引き続き、中級編(2)としてグロッサリについて触れます。
「グロッサリ」とは用語集のことで、一般的な辞書にはない用語や、特定の組織や企業の中で使用する用語をまとめたものです。


◆ グロッサリの作り方

Google Translator Toolkit の場合、グロッサリは CSV 形式(文字コードは UTF-8)で作ります。
1 行目はヘッダで、次の情報を記入します。

  ・ロケールのコード: 英語の場合は「en」、日本語の場合は「ja」。言語の数だけ列を追加します。
  ・品詞(オプション): 品詞の列であることを示すために「pos」(part of speech の意)と記入します。
  ・説明(オプション): 説明の列であることを示すために「description」と記入します。

2 行目以降はデータ行で、ヘッダに対応した内容を記入します。

  ・ロケールのコード列: 各ロケールに対応した言葉を入れます。en に「dog」と入れた場合、ja に「犬」と入れるといった具合です。
  ・品詞列: 名詞は「noun」、動詞は「verb」、形容詞は「adjective」、副詞は「adverb」です。
  ・説明列: どういった文脈で使うのかといった情報を記入します。

CSV 形式なので、もし用語や説明にカンマが入る場合は、ダブルクォーテーション(")で囲みます("Asia, Oceania")。ダブルコォーテション自体使う場合は「\」でエスケープします。

例えばテキストエディタで作成した場合、このような形になります。

090705_11


また MS Excel を使う場合、このように作成して CSV 形式で保存します。

090705_1


いずれの場合でも文字コードを UTF-8 に変えましょう。


◆ グロッサリの使い方

1. 作成したグロッサリをアップロードします。

メイン画面で [Glossaries] を選択し、[Add] をクリックします。

090705_2


作成したグロッサリを指定し、名前を決めた上で、アップロードします。

090705_3



2. 翻訳対象のドキュメントを開きます。

    ・新規のドキュメントを開く場合
    1. 「Upload Document for Translation」の画面を開きます。
    2. [Sharing] の [+] で展開し、グロッサリを指定します。

    090705_4


    既存のドキュメントを開く場合
    1. ドキュメントを開き、[Edit] メニューの [Properties...] をクリックします。
    2. ダイアログでグロッサリを指定します。

    090705_5


今回は新規ドキュメントを開いたケースを例とし、次のような文が入ったテキストを訳してみます。

    It identifies the caller.
    Use a public method for accessors.


3. 作業画面の [Show toolkit] を押すとツール ペインが表示され、[Glossary] タブをクリックします。

すると、次のように先ほど作成したグロッサリが表示されます。
このグロッサリを参考にしながら機械翻訳済みの文を修正していきます。

090705_6



以上です。
筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
プロフィールや連絡先などについては会社のウェブサイトをご覧ください。
Twitterアカウント
著書
現場で困らない! ITエンジニアのための英語リーディング
『IT英語リーディング』


ソフトウェア・グローバリゼーション入門:I18NとL10Nを理解する
『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』


アプリケーションをつくる英語
紙版
『アプリケーションをつくる英語』

電子版
『アプリケーションをつくる英語』
第4回ブクログ大賞受賞】