rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

30 3月

グローバル英語のスタイル(18):only と not は修飾する部分の直前に置く

通常 only と not は修飾する部分の直前に置くようにする。
どこを修飾しているのか不明確な場合、誤読が発生したり、解釈に時間がかかったりといった問題が発生する。

Only
Style Guide では次の例を挙げている。
× Artificial Neural Network forecasting only works in Version 7.0.

この場合、「Artificial Neural Network forecasting はバージョン 7.0 でしか動作しない」にも、「バージョン 7.0 では Artificial Neural Network forecasting しか動作しない」にも解釈できる。もし前者の意味を伝えたいのなら、次のようにする。
○ Artificial Neural Network forecasting works only in Version 7.0.

only はすぐ後ろにある「in Version 7.0」にかかる。

Not
not について、同様に Style Guide の例を挙げる。
× All information requests have not crossed my desk, but quite a few have.
Not all information requests have crossed my desk, but quite a few have.
(参考訳:すべての情報が私のデスクを経由したわけではないが、かなりの量は経由した。)

ここで not は all を修飾し、部分否定の意味になっている。all の直前に not があれば、すぐに部分否定であると分かる。

このように、only と not は修飾する部分の直前に置くと、意味が明確になる。



・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「4.1」の内容に該当する。

補足:例文に「only」が表示されていなかった不具合を修正しました(3/30 11:44)

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29 3月

Google Apps Marketplace 解説動画のメモ(2)

前回の続きです。
2 回目は主に Google Apps Marketplace の技術的な側面の続きと、公開までのフロー全体の話です。




00:00
ユーザー認証には「OpenID」を使う。

00:28
マニフェストに OpenID を使うことを宣言する。

00:35
最後の統合ポイントとして、Google Apps 内のデータ アクセスについて話す。
たとえばアプリケーションから、Google Calendar や Gmail のアドレス帳にあるデータを使いたいときにどうすればよいか。

01:28
データは Google のサーバ上にあるが、それは Google が所有しているのではなく、ユーザーが所有している。
アプリケーションが管理者に依頼し、ユーザーが所有するデータをアプリケーションで使用させてもらうようにしなければならない。ただし、提供されるデータは必要なものだけに限る。
ここでは 4 者間(アプリケーション、Google、Apps 管理者、ユーザー)で信頼関係を結ばなければならない。

02:18
これを扱うのが「OAuth」。
複数の関係者間で、どのように権限を委譲するかを指定できる。
どのデータにアクセスしたいかをマニフェストに記載する。

03:15
マニフェストが完成した。

04:00
このマニフェストを Marketplace に追加する。

04:21
Marketplace 画面の右上に、ベンダー プロファイルへのリンクがある。
ベンダー登録済みの開発者は、ここからアプリケーションを公開する。

04:53
まだ公開している製品(リスティング)がないので、最初のリスティングを作ってみる。
まずは先ほど作成したマニフェストをコピーし、ペーストする。
これで、技術的には統合が完了した。
あとはどのような製品の説明、価格、ホームページ、ビデオなどを記入し、顧客に宣伝する。

06:35
プレビューで、このアプリケーションは Google Calendar のデータへのアクセスを必要としていることが確認できる。
この情報はマニフェストから抽出されている。

06:54
この内容で送信し、Google に承認してもらう。数日かかることもある。

07:13
(料理番組みたいに)
以前送信して承認してもらったアプリケーションがある。
Marketplace に来た顧客からどのように見えるのか、確認する。
顧客である管理者は「Add it now」をクリックして、Apps に追加する。
このとき管理しているドメイン名を入力する。今回の例は「Acme Systems」。

08:00
管理者が追加するまでに 3 ステップある。
(1)本アプリケーションのサービス利用規約に同意する。
(2)データへのアクセスを許可する。今回は Google Calendar。
(3)アプリケーションを有効にする。

08:37
管理者用のコントロール パネルに、追加したアプリケーションが表示されている。
一般ユーザーは、画面最上部のナビゲーションにある「more」リンクからアプリケーションを起動できる。
サインオンのダイアログは出ない。
また Calendar のデータが取得できている。

09:30
以上がフローである。
すなわち、
(1)アプリケーションを開発する
(2)Apps と統合する
(3)マニフェストを作成する
(4)Marketplace のリスティングを作成する
(5)販売する
(6)ユーザーが使えるようになる
という簡単なプロセスである。


ビデオ 3 以降は実際に Marketplace に存在するアプリケーションの紹介です。
2 までで重要な情報が盛り込まれているので、私のブログでの紹介は終わりとします。


参考: 全 6 話の一覧

Campfire One: Google Apps Marketplace
http://www.youtube.com/view_play_list?p=0C2E1DEFBC90E546
26 3月

グローバル英語のスタイル(17):肯定文で書く

肯定文でも否定文でも書ける場合、肯定文を使うようにする。ただし警告など、否定文を使わなければならないケースでは使っても問題ない。

Style Guide の例:
× Add a statement to the program to specify that messages not be displayed.
○ Add a statement to the program to suppress messages.
 (参考訳:メッセージを非表示にするよう、プログラムに 1 文追加します。)

また、1 文中に not が 2 つ現れるような「二重否定文」はネイティブにとっても非ネイティブにとっても読みにくいので避ける。次に Style Guide の例を引用する。
× You cannot access databeses for which you do not have appropriate permissions.
○ You can access only databases for which you have appropriate permissions.
 (参考訳:適切な権限のあるデータベースにのみアクセスできます。)

意図を伝えることを主目的にするのであれば、文の構造はできるだけシンプルにすべきである。



・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「3.12」の内容に該当する。


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筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
プロフィールや連絡先などについてはこちらをご覧ください。
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