rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

17 3月

グローバル英語のスタイル(11):簡潔でシンプルな時制を使う

英文を読みやすくしたり、他言語への翻訳を簡単にしたりするために、動詞の時制はシンプルにする。
たとえば翻訳先の言語によっては、動詞の時制(の形)が必ずしも時間的な将来や過去と結び付かないケースがあるため、余計な誤解を招く可能性がある。

次は Style Guide の例である。
× When you develop your application, test different values to determine which values will result in the best performance.
○ When you develop your application, test different values to determine which values result in the best performance.

(参考訳:アプリケーションを開発する場合、異なる値をテストして、どの値が最も高いパフォーマンスを発揮するか判定する。)
前者では未来時制を使っているが、現在時制を使っても意味は変わらない。そのため、シンプルに現在時制を使うべきである。

同様に、助動詞の形も可能な限りシンプルにする。
Style Guide の例:
× If the LABEL option had been specified in the input statement, then it would not have been necessary to use the DSN option.
○ If you specify the LABEL option in the input statement, then you do not need to use the DSN option.

(参考訳:入力文で LABEL オプションを指定した場合、DSN オプションを使用する必要はありません。)
後者の文では、主語を you にして受動態を避けた上で、現在形の動詞を使って文を読みやすくしている。

日本語を母国語にしていると、未来形を使うべきか現在形を使うべきか迷うときがある。また、適切なのは過去形なのか、現在完了形なのか、過去完了形なのか、判断できないこともあるだろう。
どれを使っても意味的に差がないようであれば、なるべくシンプルな形を用いた方が読みやすくなる。



・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「3.5」の内容に該当する。


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16 3月

マイクロソフトの翻訳ウィジェットがバージョン 2 に

マイクロソフトの翻訳 API とウィジェットのバージョンが 2 になったらしい。
マイクロソフトがこの手のサービスを提供していたことは知らなかった。

Collaborative Translations: Announcing the next version of Microsoft Translator technology – V2 APIs and widget

バージョンアップされたのは次の 2 つ。
ウィジェットはホームページなどに設置が可能、API は SOAP、HTTP、AJAX から利用するようだ。
また、API では新たに「Translate-and-Speak」という機能が使えるようになったらしい(Bing Translator にも追加)。これは文字通り、機械翻訳した後、音声読み上げができる機能だ。しかし残念ながら、現時点では日本語の読み上げは含まれていない。

ウィジェットを試してみたい場合、この記事のページにある「Translate this page」で再生ボタンを押すと、ページ全体が翻訳される。

100316

精度は・・・・・・。各人の判断にお任せします。
16 3月

グローバル英語のスタイル(10):句動詞はまとめておく

可能な場合、句動詞の要素は隣接させてまとめておく。句動詞とは、動詞と他の語が組み合わさって 1 つの意味を形成するかたまりのことである。

Style Guide では次の例を挙げている。
× Turn the zoom tool off by clicking the circle tool.
Turn off the zoom tool by clicking the circle tool.
句動詞の要素が離れた場所にあると読みにくかったり、機械翻訳の精度が下がったりするため、推奨されている。
他にも Style Guide では、「...shut the server down」を「...shut down the server」、「...spell the name of the unit out 」を「...spell out the name of the unit」にするといった例を挙げている。

こういった原則は句動詞だけではなく、かたまりとして扱った方が読みやすくなる構文にも当てはまるのではないかと思う。
たとえば「whether ... or not」という構文の場合、
  • Whether you choose to work in the IT industry or not...
  • Whether or not you choose to work in the IT industry...
前者は「whether」と「or not」が離れて置かれているが、後者では隣接している。後者の方が「選択するか否か」という意味合いがすぐに明確に分かる。



・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「3.4」の内容に該当する。


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筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
プロフィールや連絡先などについてはこちらをご覧ください。
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