rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

9 12月

Android Market の力

先週の金曜、初めて開発した Android アプリケーションを Android Market に公開した。
「シンプル体重レコーダー」という名前で、こちらにサポートページも設けた。

名前の通り、体重を記録するだけのシンプルなアプリケーションで、無償で入手できる。
ただし職業柄ローカライゼーションには少し力を入れ、言語は英語と日本語とし、アメリカのロケールではインチやポンドで入力できるようにした。

以下はアメリカ向けの英語画面:
SWR1

SWR2



この記事の本題はここから。
管理者用ページに入ると、ダウンロード数とアクティブ ユーザー数(使用中のユーザー数)が確認できる。
この 4 日間で約 1,300 回ダウンロードされ、うち約 1,000 ユーザーがアクティブ(アクティブ率 80% 程度)であった。
この数は意外で驚いた。
公開する前は、通算でせいぜい数百程度だろうと思っていたからだ。
調べてみると、このアクティブ率も非常に高い。ダウンロードしてそのまま使ってもらっているということである。

このアプリケーションは私が 1 人で約 1 週間かけて開発した。
私は職業としてプログラミングをしたことがないため、まあほとんど素人みたいなものである。
経験の豊富な玄人なら 1 〜 2 日でできるかも知れない。
つまり、それほど時間と予算を使っているわけではないアプリケーションでも、ある程度の数の人に使ってもらえるチャンスがあるということだ。
(上記のダウンロード数はこれからさらに伸びるはず)

やはりこれは英語で開発し、世界に向けて発信したからだと思う。
現在のユーザーはかなりの部分がアメリカ人だろうが、今後中国やインドといった新興国で高速モバイル通信のインフラが整って Android が普及すると、さらに多くのユーザーが Android Market を利用することになる。

日本で Android は普及しないと思っている人は多い。
それはやはり、日本の携帯電話が高機能であるからだ。
正直なところ私も、Android の新型機でアメリカ人が大騒ぎしているのを見て「もっとすごい端末が日本にはあるんだよ…」と思ったこともある。

しかし日本の携帯電話と決定的に違うのは、オープンソースの Android では将来的なユーザー数が桁違いに多くなる可能性が高いという点だ。
要するに、世界中のものすごい数のユーザーにアプリケーションを販売できるということである。
(この点は iPhone も同じ)
これだけの数にリーチできれば、狭い範囲に興味を持つユーザー(要するにニッチ)を相手にしても利益を上げられる可能性がある。

ただし現在 Android 開発者は、売上についてあまり満足していない様子なので、あまり期待しすぎると失望するかもしれない。
1 12月

Opera Mobile 10 の使い心地とシェア

先々週くらいに Opera Mobile 10(ベータ版)をイーモバイルのスマートフォンにインストールした。
それまで使っていた Opera Mobile 9 からかなり使用感が良くなった。

まずトップにお気に入りの Web サイトが 9 つ表示できる「Speed Dial」。
これまでは一度ホームページを表示させた後、いちいちブックマークから他の行き先を選んでいた。
それが 9 つのサイトから一発で選択できるので、非常に便利だ。

それより何より、日本語を入力した際にきちんと日本語が表示されるようになった。
これは何かと言うと、例えば Gmail でメールを書くとき、バージョン9 までは日本語の文字を入力するとなぜか文字同士が重なってしまい、まともに入力できなかった。
だからブラウザ上で日本語メールを書くときは非常に苦労した。
しかし 10 ではこの点が改善されたようで、問題なく日本語を入力できた。
(ただ私が使っていた 9 も古いベータ版だったので、以降で直っていたかもしれない)

Opera が売りにしているのは、「Opera Turbo」という機能らしい。
これは画像のような大きなデータを見る場合、一度 Opera のサーバを経由する。
このとき、サーバで画像を圧縮し、サイズを小さくしてからダウンロードできる。
確かに帯域が狭い(速度が遅い)携帯電話の場合であれば、これは有利かもしれない。
ところがイーモバイルのように 3G や 3.5G の高速回線を使いたい放題の場合、帯域はあまり問題にならない。
定額であれば、パケット節約による費用削減効果もない。
さらに、画像は圧縮した場合に荒くなる。試してみたが、例えばニュース写真で人物が写っていても、ほとんど誰か判別できないくらい荒くなることもある。
これは携帯電話のブロードバンド化が進んでいない国で使うなら便利だが、日本ではあまり必要ないように思われる。
(それよりも、端末のプロセッサ速度が遅いため、むしろ描画処理に非常に時間がかかる。)
あと、一度 Opera のサーバを経由するならセキュリティ上問題があるのではないかと思ったが、どうやら SSL みたいな通信は経由させず、直接通信を行なわせる仕組みになっているようだ。


ところで、PC のブラウザであれば、どのブラウザがどのくらいシェアを持っているか、多少なりとも IT に興味のある人なら知っているのではないだろうか?
大まかには、Internet Explorer が 50% ちょっと、FireFox が 30%くらい、Chrome や Safari が数パーセント程度。

これまでモバイルのブラウザ シェアについてはまったく聞いたことがなかった。
そこで StatCounter というサイトで調べてみたら、少し驚いた。
モバイル ブラウザについては、Opera がトップらしい。シェアは約 25%。
2 位は iPhone で約 22%。

Mobile_StatCounterGlobal

Bar_Mobile_StatCounterGlobal


2004 年からモバイルで Opera を使っている私としては、意外な活躍にちょっとうれしくなった。
24 10月

『ドクター・ヴァンスの英語で考えるスピーキング―すらすら話すための7つの思考法』 ウィリアム・ヴァンス

普段は翻訳ばかりしていて話すことがないので、英語でのスピーチやミーティングはあまり得意ではありません……。
ところが現在、大学院の PBL(プロジェクトベースの学習方法)グループでベトナムの大学院生たちと共同でソフトウェアを開発しているため、ビデオ会議で英語を話す必要があります。
そこでミーティング英語と銘打たれた本を買い、特有のフレーズをいくつか暗記しました。
それはそれで役に立つのですが、なかなか応用が利きません。
費用対効果というか、暗記量に対する応用場面が少なすぎます。

何か良い本はないかと探していたら、この本を見つけました。
具体的なフレーズを覚えさせるのではなく、タイトルにもあるように「思考法」を解説しています。

(1)英語の情報パッケージ
(2)潜在意識のテンプレート
(3)滑らかなサウンドストリーム
(4)成功を左右する雑談
(5)メロディーとそこに隠された意味
(6)標識となる言語の威力
(7)メッセージデザイン

たとえば(1)の場合、英語では思考の最小単位は「文節」であり、文節で区切って情報をパッケージ化するとよい。
(2)の場合、ネイティブスピーカーの思考テンプレートは「実行者 → アクション → 目標」となっているため、それを使うと理解されやすい。
などという具合に、7 つの思考法について解説しています。

私はあまり英語学習の本を買わないので比較できませんが、これは非常に良いと思いました。
目から鱗の優れた一冊で、特に例文暗記でうんざりしている人には良いかもしれない。
あと、(私もそうですが)TOEIC の点数は高いのに、あまりしゃべれない人にもお勧めです。


ドクター・ヴァンスの 英語で考えるスピーキング―すらすら話すための7つの思考法ドクター・ヴァンスの 英語で考えるスピーキング―すらすら話すための7つの思考法
著者:ウィリアム A. ヴァンス
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2009-02-16
おすすめ度:4.5
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最新の翻訳書
血と汗とピクセル 『血と汗とピクセル』
筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
プロフィールや連絡先などについてはこちらをご覧ください。
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