rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

10 10月

ロケール別に Android アプリの表示・機能を変更

追記:この記事では、どのstrings.xmlが読み込まれるかでロケールを判別していますが、JavaのLocaleを使って取得できますし、そちらの方が標準的かと思います。(2010/11/21)
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先日仕事の一環で Android アプリケーションを作成し、日本語から英語にローカライズしました。
本日(09/10/10)段階ではまだリリースしていないので、残念ながら詳しい機能は書けません。

今回は、日本語、英語(一般)、英語(アメリカ)の 3 つのロケールで表示機能が変わるようにプログラムしました。
ロケール設定自体は Android 端末本体が記憶していて、アプリケーションの実行時にそれを読み込み、表示と機能を切り換えるという仕組みです。

[これ以下の話は、記事「アプリを国際化してAndroid Marketから世界へ発信」程度の予備知識を前提にしています]

具体的にはそれぞれのロケールについて、文字列を格納しておく XML(strings.xml)にそのロケールを表す文字を入れておきます。
今回私は「en」、「en-rUS」、「ja」などとしたのですが、(if 文や switch 文などで)区別が付けばいいだけなので、別の文字でも数字でも大丈夫かと思います。
Eclipse を使った場合のフォルダ構成と、キー・値は以下のような感じです。

Android_Localize_01


このように strings.xml にロケールを示す文字を入れておき、onCreate() 実行時にその文字を読み込むようにします。
それを適当な変数に格納します。

Android_Localize_02


これで、Android 携帯端末本体に設定したロケールを読み込み、アプリケーションで指定できます。
これが便利なのは、表示だけではなく機能までロケールごとに変更できる点です。
例えば if 文で変数の中身が "ja" だったら、「メートル」や「キログラム」で計算し、"us" だったら「インチ」や「ポンド」で計算するといったことができます。
今回私は strings.xml に入れましたが、もうちょっとスマートな方法があるかもしれません。


この程度の方法なら誰でも考え付くだろうと思っていたら、Android Market にわざわざロケール別のアプリを出している人がいました。
あまりに単純なのでわざわざブログ記事にするものどうかと思いましたが、せっかくなのでメモ程度に残すことにしました。
27 9月

Life(1936〜1972 年)

昔アメリカに「Life」という写真雑誌があった。
1936 〜 1972 年までは週刊で発行されていて、その後月刊になったようだ。

最近 Google Books でその週刊の分について提供を始めたらしい。
http://books.google.com/books

「Japan」や「Tokyo」などで検索してみたが、やはりこの時期は戦争に関する話題が多い。
死体や生首の写真が普通に掲載されていたのには驚いた。


あと、当時の広告も載っている。
昔の生活や文化が見えて面白い。
例えば、日系二世に関する記事(1940 年 11 月 14 日号)を読んでいたら、こんな広告(写真)があった。

kreml

(Life 1940 年 10 月 14 号の 89 ページ。http://books.google.com/books?id=LEoEAAAAMBAJ

HOW DO YOU LOOK TO THE PRETTY CASHIER?
(君はあのかわいいレジの女の子にどう映ってる?)

右上の男は、洗いざらし(WASHOUT)で髪がボサボサで、NO SALE(全然ダメ)!
その下の男は頭頂が老けて(OLD TOP)いて、NO SALE!
その左の男は油塗りすぎのテカテカ(SLICKER)で、NO SALE!
左下の男は Kreml を使っているので、★★★★で最高の男(HEAD MAN)!


1940 年といえば真珠湾の 1 年前で、すでに世界各地で戦争をやっているわけですが、普通の人の生活なんてこんなもんだったんでしょう。
6 9月

『Free』 Chris Anderson

池田信夫氏のお勧め本で見て買いました。
特にデジタル経済における「無償」(Free)について考察した本です。

無償の歴史(カミソリのジレット社のおまけなど)から始まり、現在のインターネットの無償サービスに至るまで、さまざまな無償サービスの形態を解説しています。
特に有用だと思ったのは最後のまとめで、「無償の法則 10」「フリーミアム(Freemium)の戦略」「無償のビジネスモデル 50」について触れています。

その 3 つについて一部を紹介:

◆ 無償の法則 10
 1. デジタルであれば遠かれ近かれ無償になる
 2. 財も無償に向かうが、それほど強力ではない
 3. 無償化は止められない
 4. 無償から利益を上げることは可能
 5. マーケットを再定義せよ

◆ フリーミアムの戦略
 ・自分にとって最適なフリーミアム モデルを探す
 ・適切なコンバージョン率は何か
 ・無償の顧客の価値は

◆ 無償のビジネスモデル 50
 ・直接補償型
  - ハードウェア有償、ソフトウェア無償(IBM や HP の Linux)
  - ハードウェア無償、ソフトウェア有償(ハードウェアをコスト以下で提供するゲーム機)
  - ショー無償、ドリンク有償(ストリップ クラブ)
  - ショー有償、ドリンク無償(カジノ)

 ・第三者補償型
  - コンテンツ無償、読者へのアクセスを販売(広告メディア)
  - 閲覧ソフト無償、文書作成ソフト有償(Adobe)]
  - 女性無償、男性有償(バー)
  - リスト無償、検索有償(Craigslist のニューヨーク版不動産)
  - レジュメ一覧無償、詳細検索有償(LinkedIn)

 ・フリーミアム(一部ユーザーが他のユーザーを補償)
  - 基本情報は無償、詳細情報は使いやすいフォームで有償(BoxOfficeMojo)
  - Web コンテンツ無償、印刷物有償(雑誌から書籍まで)
  - コンピュータ間の通信無償、コンピュータ電話間の通信有償(Skype)
  - 写真共有サービス無償、追加ストレージ有償(Flickr)
  - 仮想の旅行無償、仮想の土地有償(Second Life)


ここに全部は書きませんでしたが、最後のまとめを読むだけでも価値はあるのではないかと思います。


Free: The Future of a Radical PriceFree: The Future of a Radical Price
著者:Chris Anderson
販売元:Hyperion
発売日:2009-07-07
クチコミを見る
筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
プロフィールや連絡先などについては会社のウェブサイトをご覧ください。
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著書
現場で困らない! ITエンジニアのための英語リーディング
『IT英語リーディング』


ソフトウェア・グローバリゼーション入門:I18NとL10Nを理解する
『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』


アプリケーションをつくる英語
紙版
『アプリケーションをつくる英語』

電子版
『アプリケーションをつくる英語』
第4回ブクログ大賞受賞】