rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

7 4月

グローバル英語のスタイル(22):動詞を修飾する言葉は文頭に移動する

動詞を修飾する言葉は文頭に移動すると読みやすくなる。
移動できる言葉として、Style Guide は次の 3 種類を挙げている。

A. 分子句
Style Guide の例文:
× Write a SYMBOL statement, using the fewest options possible, that changes the color of the plotting symbols to RED.
Using the fewest options possible, write a SYMBOL statement that changes the color of the plotting symbols to RED.
(参考訳:できる限り少ないオプションを使用して、プロット用記号の色を RED に変更する SYMBOL 文を書いてください。)

この分子句(Using…)は動詞 write を修飾しているため、文頭に移動する。

B. In order to
目的を表す「in order to」も、文頭に移動できる場合はする。

C. 副詞句
副詞句にはさまざまなものがある。Style Guide では次の例を挙げている。
× Avoid creating situations that require a message box to be displayed whenever possible.
Whenever possible, avoid creating situations that require a message box to be displayed.
(参考訳:可能であれば、メッセージ ボックスが表示されるような状況を発生させることは避けましょう。)


このように文頭に切り出すというのは、どこにかかっているのか(修飾しているのか)が明確だからである。
文中に置いておくと、かかり受けの関係が不明瞭になることがある。文頭に移動させることで、かかり受けの関係をはっきりさせられるため、誤読が減る。



・本項目は、Style Guide の「4.5」の内容に該当する。
・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・背景が濃くなっている部分は引用箇所である。


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5 4月

グローバル英語のスタイル(21):関係詞の限定用法には that を使う

関係詞の「限定用法」とは、先行する名詞を特定する方法である。限定用法の反対は「継続用法」であるが、次のような違いがある。

・限定用法
She has two sons who are doctors.
・継続用法
She has two sons, who are doctors.

前者では「医者をしている息子が 2 人いる」と息子を特定し、「医者をしていない息子がいる」可能性を示唆している。逆に後者は「2 人息子がいて、医者をしている」となり、「2 人の息子全員が医者をしている」ことを表している。

上記の例は人を指す who であるが、物を指す which も関係詞として使える。その際、限定用法では which ではなく that を使うようにする。このルールに従うことで、文に一貫性を持たせられる。
Style Guide の例:
× A DBMS client is an application which manages connections to a specific DBMS.
○ A DBMS client is an application that manages connections to a specific DBMS.
(参考訳:DBMS クライアントは、ある DBMS への接続を管理するアプリケーションです。)


which を継続用法として使う場合、「, which」とカンマを付加することが多い。



・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「4.4」の内容に該当する。


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2 4月

グローバル英語のスタイル(20):関係詞節が何を修飾しているのか明確にする

関係詞とは、文同士を接続しつつ主語や目的語、または副詞になる語である。例えば that や which は主語や目的語となり(関係代名詞)、場所を表す where や時を表す when は副詞となる(関係副詞)。

本記事で説明する関係代名詞の that は、前に出現する名詞を修飾する。そのため、前に複数の名詞があると、どれを修飾しているの不明確になってしまう。何らかの工夫が必要となる。
Style Guide の例:
○ Click [Overview] to view short descriptions of the products that include information links.
× Click [Overview] to view short descriptions of the products. Each description includes information links to more-detailed information.
(参考訳:製品の説明を表示するには [Overview] をクリックします。それぞれの説明には、より詳細な情報へのリンクが含まれています。)

前者の場合、that 関係詞節が descriptions にかかるのか products にかかるのか判断できない。後者では文を 2 つに分け、description を修飾していることを明確にして、曖昧さを排除している。

上記の例では関係詞節の動詞が include であった。もし仮に名詞のいずれかが単数形であれば、それにはかからない。単数形を修飾するのは includes だからである。
このように動詞の形から、何を修飾しているのか判断できる場合もある。



・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「4.3」の内容に該当する。


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筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
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