rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

15 8月

Android 本数冊

Android プログラミングを勉強するのに本を数冊買った。

Android は Java 言語でコーディングするので、まず Java は必須です。
ただし、その手法はかなり特殊です。
すでに用意されているクラスを継承してプログラミングするというケースが多い。
そのため Java が分かっていてもすぐに Android アプリケーションが作れるようになるわけではありません。
Android 独特のやり方を覚えなきゃならない。

他にも、モバイルはメモリや電力に限りがあるため、アプリケーションがバックグラウンドに回ったときの処理方法まで考えなければならないことがあります。
ここがリソースが豊富なデスクトップや Web のアプリケーションとは違う部分です。

『初めてのGoogle Androidプログラミング サンプルで学ぶ必須作法と基本手順』(ジェローム・ディマジオ)
サンプルを作りながらプログラミングを覚えていくという伝統的な方法を採用している。
ただ、バージョンがやや古くなってしまっている(SDK 1.0)ので、今から買うのはどうだろうかと思う。

『初めてのAndroid』(Ed Burnette)
こちらも「数独」のサンプルを徐々に発展させながら勉強していく。
だから途中の章を飛ばすとちょっと分からなくなってしまう・・・。(サンプルコードは入手できますが)
Amazon での評価が低いのだけど、1 から順に学習するのであれば、厚くはないし、それほど悪くないと思う。

『Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容』(木南 英夫)
もし 1 冊だけ買うならこれがよいと思う。
2009 年 6 月発売で、情報も最新。
サンプルを使っている点は同じだが、それぞれのサンプルが独立しているので、前の章から順番にやっていく必要はない。
あと機能の解説も細かく、レファレンス本に近い使い方もできる。
Android マーケットへの出し方や付属ツールの使い方など、周辺の情報も記載されている。

Android はものすごい速さで進化しているから、本を出す方も大変だ。
翻訳なんてしてたら、すぐに古くなってしまうし・・・。


Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容
著者:木南 英夫
販売元:日経BP社
発売日:2009-06-04
おすすめ度:4.5
クチコミを見る
29 7月

ローカライゼーションって何?

この間、在学している社会人向け大学院の勉強会で「ローカライゼーションって何?」というテーマで発表してきました。
IT 業界で働く人に、ローカライゼーションの仕事を紹介するような内容です。

そのときの資料(PDF)がこちらにあります。
細かい調査に基づくものではなく、私の経験に基づく部分が多いです。
22 7月

不条理の追体験:エンドレスエイト

こんな記事があった。

    大不評「涼宮ハルヒの憂鬱」 山本寛監督が「ユーチューブ」で謝罪
    http://news.livedoor.com/article/detail/4260576/

・・・6月から「エンドレスエイト」が始まった。しかしこの「エンドレスエイト」、現在まで5話放送されているが、異なるカットはあるのだが内容もあまり変わらないため、ネットで大バッシングされた。

先日の日記にも書いたように、主人公のハルヒが夏休みにやり残していることがあると無意識に思っているため、8/17〜8/30 の時間が延々とループし、未来がなくなってしまっているという話である。
アニメ内では 15,000 回以上ループしていて、現実のアニメでは同じ内容の話が 5 週連続で繰り返されている。
(僕は Youtube の公式チャンネルで見ているため、1 週遅れ)

記事にもあるように、大バッシングが起こっているようだ。
しかし、僕の意見は違っていて、これはものすごいアニメだと思う。

小説や劇だと、それを読んだり観たりすることで、登場人物に感情移入して行動を追体験することがよくある。例えば「カタルシス」はその追体験から得られる精神の浄化効果だ。
登場人物に感情移入するには、登場人物の自分との立場が入れ替え可能な形式になっていないといけない。カタルシスで有名なギリシャ悲劇に出てくる人物や、日本であれば能に出てくる幽霊あたりであれば、立場を入れ替えることで感情移入することは簡単である。

今回の「エンドレスエイト」の場合、2 週間が 15,000 回以上繰り返される(約 600 年分)という時間の追体験をさせようとしている。
(もちろん、現時点で判明している 5 回なら、そのごく一部に過ぎないが)

悲劇などでは登場人物の悲しみを追体験できる。
この「エンドレスエイト」のように時間が過ぎ去り、また同じ時間が繰り返されるという不条理を追体験させるような作品(劇、小説、映画問わず)がどれほどあるのだろう?
(有名どころではカフカや安倍公房が近いかと思うが、時間が繰り返すという不条理ではない)
実験的アニメでやるならまだ分かるが、商業ベースかつ高い人気を誇るアニメで、これをやるなんてすごいとしか言いようがない。

エンドレスエイトは、現実では 5 話繰り返されていて、このブログを書いている時点(7/21)では、あと何話続くか分からない。もしかしてこのままループするだけでアニメが全話終了してしまうのかもしれない。
要するに、視聴者は登場人物たちと同じく、将来が存在しない不安な状態に置かれている。ニュース記事にあるような「バッシング」はその不安の表明なのだろう。
そういう意味では、不条理や不安を追体験させるという「エンドレスエイト」の狙いは、完全に成功しているのである。

(記事には監督が謝ったとあるが、なぜ謝る必要があるのだろう?)
筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
プロフィールや連絡先などについては会社のウェブサイトをご覧ください。
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著書
現場で困らない! ITエンジニアのための英語リーディング
『IT英語リーディング』


ソフトウェア・グローバリゼーション入門:I18NとL10Nを理解する
『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』


アプリケーションをつくる英語
紙版
『アプリケーションをつくる英語』

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第4回ブクログ大賞受賞】