ある単語を使う場合、標準的な辞書に書いてある品詞を使うこと。

Style Guide では次の例を挙げている。
In order to action this report, you must respond by selecting...
この場合の「action」は動詞として用いられている。action は本来名詞であるため、英語から別の言語に翻訳する場合、翻訳者が新しい訳語を考案して当てなければならない。そのため翻訳に余計な時間がかかる可能性がある。また、非ネイティブであれば辞書に書いてない品詞なので解釈できないことも考えられる。
上記の英文を(例えば)日本語に翻訳する場合、恐らく「このレポートを出させる」や「このレポートの処理結果を見る」のようになるだろう。この場合、「出させる」や「処理結果を見る」のように読む側で何らかの言葉を補う必要があるということである。

また Style Guide では別の例も挙げられている。
× This section explains how to change the text of items in the pop-up.
○ This section explains how to change the text of items in the pop-up menu.
×では、形容詞が動詞として使われている。「pop-up」は通常は形容詞であるため、特に名詞に性別がある言語(フランス語やドイツ語など)に訳す場合、翻訳者が隠れている名詞を探し出して性別に合致した定冠詞を付けなければならない。そういった労力を減らすために、○の例のようにあらかじめ適切な名詞「menu」を追加しておくことが求められる。
日本語の場合「ポップアップ」が名詞となっているため英文を書いたときに気づかないが、それが名詞として使われてない言語もあるということである。

私が翻訳していると、たまに「installable」という単語が名詞として使われている例に遭遇することがある。形容詞は「インストール可能」だが、名詞として訳す場合は内容に応じて「インストール可能ファイル」のようになる。このように、日本語でも何らかの名詞を補う必要があるケースも存在する。
ちなみに同じく -able の形である「deliverable」(成果物、納品物)は辞書でも名詞になっているため、そのまま使っても問題ないだろう。


注:
・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「2.2」の内容に該当する。


The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global MarketThe Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market
著者:John R. Kohl
販売元:Sas Inst
発売日:2007-10-26
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