数日前、Google が「Google Apps Marketplace」を始めるというニュースがあった。

Google は Google Apps というオフィス用製品(メールや表計算など)を SaaS という形態で提供している。 Marketplace は、この Google Apps 向けアプリケーションを販売できる流通プラットフォームである。
例えば、ある会社 A が Google Apps を社内で使っているとする。ソフト開発企業である B は Google Apps 向けアプリケーションを開発し、Marketplace 経由で A にアプリを販売できるようになるということである。

販売する側は、Google に初期費用 100 ドルに加え、売上の 20% を支払う。20% という金額は、Google Apps の持つ 200 万社、2,500 万ユーザーにリーチできると考えれば、それほど高いとも思えない(ちなみに iPhone や Android のアプリは 30% である)。

私がこのニュースを聞いてすぐ思ったのは、B2B アプリケーションのロングテールが可能になるということである。
Marketplace の出現により、(1)世界中に顧客を持てる、(2)サーバなどのインフラが不要、となるため、従来は特殊で採算が取れなかったようなケース(いわゆるロングテール)でも十分にビジネスが成立する可能性があるのではないかと思う。
例えば特定業界向けの CRM ソフトやドキュメント管理ソフトなどである。

この Google Apps Market もそうだが、モバイルの Android Market や iPhone App Store など、アプリケーションの世界的な流通プラットフォームが整いつつある
ソフトウェアを世界的に流通させることは、従来は巨大な資本を持つ大企業しかできなかった。アプリケーションの世界的な流通プラットフォームを活用することは、小規模なソフトウェア開発企業にとって大きなチャンスとなるはずだ。

参考
Marketplace に関する YouTube の動画 (英語ですが百聞は一見に如かずです)