テクニカル ライティングでは通常、受動態は十分な理由がない限り使用しない方がよいとされている。グローバル英語の場合も同様で、以下の 3 つの理由により避けた方がよい。
  • 受動態をあまり使わない言語に翻訳する場合、翻訳者が能動態で訳文を構成する手間が生じる
  • 能動態の方がワード数が少なくなる傾向があるため、翻訳コストが削減できる
  • 一部の言語では、受動態は何種類にも訳し分けられる。そのため、複数の翻訳者が関係すると訳文の一貫性が損なわれる可能性がある
受動態を能動態にする例として、Style Guide では次の例を挙げている。
× Accessibility standards for electronic information technology were adopted by the U.S. government in 1973. (14 words)
○ The U.S. government adopted accessibility standards for electronic information technology in 1973. (12 words)
(参考訳:アメリカ政府は 1973 年に電子情報技術向けのアクセシビリティ標準を導入した。)

ただし、受動態が適切な場合もある。
(1)動作の主体が不明であったり重要でなかったりする場合
Style Guide では次の例を挙げる。
This output was created by appending HTML output to an existing HTML file.
(参考訳:この出力は、既存の HTML ファイルに HTML 出力を付加することで生成された。)
(2)能動態にすると同じ主語を何度も繰り返さなくてはならない場合
受動態を使うと読みやすくなることがある。

(3)動作を行う側ではなく、受ける側に焦点を当てる場合
同様に、受動態の方が便利である。

受動態はできれば避けた方がよいが、どうしても必要な場面や受動態が適切な場面では、使用しても問題はない。



・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「3.6」の内容に該当する。


The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global MarketThe Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market
著者:John R. Kohl
販売元:Sas Inst
発売日:2007-10-26
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