リスト導入部分の文が不完全な場合、語順を入れ替えるなどの作業が発生するため翻訳者に負担がかかる。また、機械翻訳の精度も下がることがある。
少し分かりにくいと思うので、Style Guide の例で確認する。

 × In addition to invoking, managing, and scrolling windows, the windowing environment can
   ・customize windows
   ・manage libraries and files
   ・search text

 ○ In addition to invoking, managing, and scrolling windows, the windowing environment can be used as follows:
   ・to customize windows
   ・to manage libraries and files
   ・to search text

あまり違いがないように思えるが、前者ではリスト直前が「can」で終わっている。後者では「...can be used as follows:」とコロンで終わっている。
なぜ前者が推奨されないかと言うと、日本語に翻訳してみると分かる。

前者の参考訳:

ウィンドウの起動、管理、およびスクロールに加え、ウィンドウ環境は
 ・ウィンドウのカスタマイズ
 ・ライブラリおよびファイルの管理
 ・テキストの検索
ができる

後者の参考訳:

ウィンドウの起動、管理、およびスクロールに加え、ウィンドウ環境は次のことができる。
 ・ウィンドウのカスタマイズ
 ・ライブラリおよびファイルの管理
 ・テキストの検索

前者の場合、どうしても「ができる」をリストの最後に持ってこなければ、日本語として成り立たない。これは日本語特有の語順が原因である。
このように翻訳先の言語によっては処理が難しくなるため、リスト導入部分は 1 文としておくことが勧められている。

最もよく使われる方法は、「... as follows:」や「... the following items:」のように「follow とコロン」を組み合わせる手法である。



・Style Guide とは『The Global English Style Guide: Writing Clear, Translatable Documentation for a Global Market』を指す。
・本項目は、Style Guide の「3.8」の内容に該当する。


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著者:John R. Kohl
販売元:Sas Inst
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