アメリカのニュースで先々週くらいから、このビデオが話題になっている。



右に映っているのは 11 歳の女の子で、真ん中にいるのは父親である。女の子は、

 「あなたたちは私の人生を台無しにした!」

と泣き喚く。父親は、

 「お前らがどこから来たか分かっている」
 「サイバー警察に突き出してやる!」
 「娘に近づいたら、どんな結果になるか分からないぞ!」

などと叫んで警告している。いかにも異様な光景であるが、一体なぜこのようなビデオが撮られるようになったのだろうか?事の顛末はこういうことらしい。

(1)
今月初め、女の子(Jessi Slaughter というハンドル名)があるウェブサイトでトラブルに巻き込まれた。あるバンドのメンバーと変な関係にあるのではないか、と嘘を書かれたらしい。

(2)
怒った女の子は、まずネットいじめ(Cyberbullying)をしていた者たちに対してメッセージを録画し、それを Youtube に投稿した。これがそのビデオで「私の方がかわいいし、友達も多いから、あなたたちは嫉妬しているだけでしょ」などと反論している。



(3)
ビデオが 4chan(アメリカの 2 ちゃんねるみたいな掲示板)などのサイトに広がると同時に、女の子の実名、住所、電話番号なども暴露された。

(4)
この結果、家に殺害をほのめかす脅迫電話がかかってきたり、ピザが注文されたりといった嫌がらせが始まる。

(5)
ここで冒頭に紹介したビデオが撮られた。女の子は泣き、父親は怒って叫んでいる。この父親の発言(「どんな結果になるか分からないぞ!」など)が火に油を注ぐ形になったらしく、パロディビデオが作られたり、発言を印刷した T シャツが作られたりし、いわゆる「祭り」はヒートアップしていく。

(6)
最終的には、警察がネットいじめだとして捜査を開始し、女の子はメンタルヘルスのカウンセリングを受けることになった。


ネットいじめがここまで大規模になるのは珍しいため、アメリカでは全国規模のニュースになった。次のビデオは ABC のニュースである。





この件についてはいろいろな意見や分析が見られた。例えば、親は子供がインターネットで何をしているか確認すべきだ、などだ。

むしろ私が個人的に興味を覚えたのは、親が Youtube のビデオに堂々と出てきて叫ぶという部分である。日本では果たしてこういうことは起こり得るのだろうか?ちょっと考えられないような気がする。その辺りは文化的な差なのだろうか。


注: 元のビデオが消去され、リンクが切れていることがあります。