7/1 から、東京電力がほぼリアルタイム(5 分間隔)の電力使用状況を公開し始めました。
これまでは毎時平均を数十分遅れくらいで公開していただけなので、「過去の実績」しか知ることができませんでした。


電力不足は、本当はピーク時の料金値上げなどで対応するのが望ましいと思うのですが、東京電力がそれを言うと感情的に受け入れられないかもしれません。そのため、大阪の橋下知事大前研一氏の言うように、電力がもう危ないというときには、テレビのテロップや緊急メールで「エアコンをオフにしてください」と呼びかける方法がよいのではないかと思います。(「京大カンニング事件」や「海老蔵事件」のような緊急性のない事件でもテロップを出したくらいですから、テレビ局もやらないとは言わないでしょう。)
東電ではまだ計画停電を捨てていないようですが、避けた方がいいでしょう。真夏に強制的に電力をストップすると、エアコンが必要なお年寄りや病人などが困る可能性が高いです。それよりは、余裕がある人にエアコンを切ってもらった方がよいと思います。


テレビのテロップや緊急メールの仕組みを作るには、とにかくリアルタイムの情報が必要です。東電の情報公開は、5 分間隔とは言え、大きな進展です。
情報が公開されていれば、私のような個人であっても簡単なシステムを作ることはできます。例えば Twitter を利用していると、bot(ボット)と呼ばれるアカウントを見ることがあります。これは robot(ロボット)の略で、つまりは自動的にツイートするプログラムのことです。
私は、東電ホームページからデータを取得し、それをツイートするボットを作ってみました。

 東電リアルタイム使用状況Bot
 http://twitter.com/#!/TodenRealtime

todenbot


まだエラーが発生して完全に 5 分間隔でツイートできていませんが、従来の 1 時間以上遅れるものに比べたら、新しい情報を発信できています。

恐らくもっと性能の良いボットを作る人も出てくるでしょうし、緊急メールシステムを構築する企業や人も登場するのではと思います。
関西電力では緊急メールをどう送ろうか悩んでいるようですが、とにかく情報公開して、一般企業や個人開発者から支援をもらうのが一番よいのではと思います。3・11 のときも Google などの IT 企業が活躍しています。



ところで技術的な話になりますが、上記のボットはこれまで何度かブログ記事に書いている「Google Apps Script」を使っています。
こういったボットを作るには、従来ならサーバーを用意しなければなりませんでしたし、開発環境を整える必要もありました。Google Apps Script は、Google のアカウントがある人なら誰でも使えますし、サーバーも専用の開発環境も不要です。いわゆる「クラウド」で、ブラウザ上ですべて完結します。上記のボットも、準備の手間がかからないので数時間程度で作成できました。
(7/1 の午前 1 時過ぎには稼働できたので、ほぼリアルタイム情報を発信するボットを作ったのは私が日本初なのではと密かに思っています)

ただし Google Apps Script は処理が遅くエラーも頻発するので、信頼性が求められるシステムには向かないでしょう。個人が短時間で手軽にシステムを作る際には、非常に役に立ちます。言語は JavaScript なので習得はさほど難しくなく、経験のあるプログラマならリファレンスを見ただけで使えると思います。(英語ですが…)