先月末ですが、こういう記事がありました。

 これはアウトー! 『マインクラフト』に人種差別的なメッセージが混入、開発元が謝罪
 http://www.kotaku.jp/2012/01/minecraft_racial_slur.html

要するに、クラウドソーシングで翻訳をしてもらったところ、不届き者が不届きな翻訳を混入させたという話です。
ちなみにこちらの「クラウド」は crowd (=大衆)であり、クラウドコンピューティングの cloud(=雲)とは別です。また crowd は必ずしもボランティアばかりではありません(有料のクラウドソーシングもある)。



こういったクラウドソーシングの翻訳は Twitter や Facebook といったサービスでも活用しています。
例えば Facebook では、ページ最下部のアイコンをクリックすると翻訳アプリに移動できます(恐らく誰でも可)。

fb_trans_icon


翻訳アプリに移動すると、自分で翻訳を追加したり、良さそうな翻訳に投票(Vote)したりできます。

fb_trans_top


Facebook もさすがの巧者で、たまにページの右側に、すきま時間で出来そうな投票案件をちゃっかり表示させます。
昨日(2/9)、そこにおかしな内容が表示されました。「All Events」の日本語訳に適したものを投票せよ、という内容です。

option0209


「こんんばんわ」はふざけているのか、入力ミスなのか分かりませんが、明らかに翻訳としては不適切です。これを見たユーザーは「こんんばんわ」を却下するはずです。
Facebook はこのように「投票」という安全網を使っているので、冒頭に挙げたような事件は起こりにくくなるでしょう。



ところが今日(2/10)、またこんなものが表示されました。

option0210


「こんんばんわ」が間違っているから「こんばんわ」なのかも知れませんが、そもそも「All Events」に対する訳としてはどちらも不適切なので「該当なし」でしょう。

ここでふと思ったのは、いくら安全網の仕組みをこしらえたとしても、その安全網もいたずらで壊され得るということです。例えば「Facebook は IPO でお金があるはずなのに、他人をタダ働きさせて許せん」という憤りから、変な翻訳を混ぜて困らせてやれ、という輩が登場するとも限りません。
今日もアップルの製品を受託製造している企業が攻撃されたというニュースがありましたが、反感を買った企業に対する「翻訳テロ」は十分考えられます。



ボランティアのクラウドソーシングを活用すれば金銭的な翻訳コストは下げられるかもしれません。しかしボランティアにうまく対処するという別のコストが発生します。
クラウドソーシングは新しい方法なので、今後どう発展するかは楽しみです。