IT時代の実務日本語スタイルブックIT時代の実務日本語スタイルブック
著者:山本 ゆうじ
販売元:ベレ出版
(2012-02-16)
販売元:Amazon.co.jp
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目次は以下のようになっています。章レベルのみなので、節以下も知りたい場合はこちらの PDF ファイルで確認してください。
00 はじめに─本書の特色
01 名文ではなく良文を目指す
02 実務悪文の3つの問題点─難しい・あいまい・長い
03 読み手と書き手──簡潔・明快に書くために
04 英語圏での表記の取り組み
05 スタイル ガイドとは
06 IT 時代の表記法──電子文書の利点を活かす
07 文の組み立て
08 記号の意味と使い方──約物ってなに?
09 ひらがなと漢字のバランスをとる
10 カタカナの扱い方
11 文書の構築法
12 Word の正しい使い方
13 メモ取りソフトの活用
14 文章と表現を鍛える字数制限ダイエット
15 実務文章に応用できる創作文章の5つのテクニック
16 用語集で専門用語を管理する
17 おわりに
18 実務日本語・12の基本表記規則
19 用語集


◆ なぜ今、日本語の書き方を学ぶ必要があるのか

表記ルールなど具体的な書き方は本書内で説明されているので、ここでは「 なぜ今、日本語の書き方を学ぶ必要があるのか」という点について、私の意見も交えながら考えてみます。

本書では次のような説明があります。
日本語を母国語としている人どうしでも、ビジネスの現場では、あいまいな日本語や、不必要に難しい日本語が日常的に使われており、誤解から大きな損失が生じています。企業で難しい日本語を使うと、社内での意思疎通が妨げられ、社外的にはビジネスでの競争力が下がります。
  <中略>
海外向け文書を日本語で書いて翻訳するときでも、元が分かりにくい日本語では、日本の立場をうまく説明できません。
(p13)

日本人どうしの意思疎通の場面ではもちろん、海外向けに日本語が翻訳される場合にも、分かりやすい日本語が必要だということです。

先日のブログ記事に「CNN の誤訳問題」を取り上げました。CNN はトヨタの内部文書(日本語)を入手し、トヨタが自動車の欠陥を知りながら隠蔽していたと報道しました。しかし実は、その根拠となった日本語文書の英語翻訳が間違っていたという話です。そもそもトヨタの文書は社外向けではありませんでしたが、偶然それが社外に出てしまい、翻訳がうまくなされなかったために大きな損失が生じた不幸な例と言えるでしょう。

現在、いわゆる「グローバル化」が進んでいます。例えば、製造業の海外進出海外からの留学生の増加外国人労働者の増加などです。日本企業が外国人留学生を積極的に採用するというニュースも耳にします。グローバル化が進展すれば、日本語が分かりにくいために損失が生じたりトラブルが発生したりするケースは増えるでしょう。つまり、日本と日本語を取り巻く環境は変化しつつあるのです。文化的あるいは言語的な背景が異なる同僚、顧客、あるいは隣人と日本語でコミュニケーションを図る機会は増加するはずです。

こういった環境の変化に対応するには、何らかの指針が必要になります。目次にある通り、本書は表記ルールはもちろん、Word といったツールの使い方まで解説しています。抽象的ではなく具体的なガイドとして、本書は役に立つでしょう。
(後日、電子書籍版も出るそうなので、検索機能が欲しい場合は少し待ってもよいかもしれません。出版社のページはこちら

以上です。