前回に引き続き、「英文の難易度を測る」の第2回です。

Word Level Checker
http://www.someya-net.com/wlc/index_J.html

染谷泰正氏(現在、関西大学教授)が提供しており、第1回のThe Oxford Text Checkerと同様に各単語の難易度を判定しますが、機能はより豊富です。

使う場合はページを開き、まず解析対象テキストの 1.タイトルと 2.本文を入力します。
3.〜5.まで以下のようなオプションがあります。
WordLevelChecker1

まず3.ですが、これはどの単語リスト(辞書)と比較するかの選択肢です。各リストの詳しい内容は「詳細はここをクリック」から確認していただきたいのですが、簡単に説明するとこうです。
 ・JACET8000: 大学英語教育学会基本語改訂委員会が作成のリスト。8000語で、レベルは8段階。
 ・SVL12000: 株式会社アルクが開発したリスト。12000語で、レベルは12段階。「英辞郎」には単語に「レベル」が付けられているが、それと同じもの。
 ・WLC: 染谷氏作成のリスト。「ビジネス英語の分析用に特化した約35,000語」。
最初はどれを選んで試してもよいでしょう。

4.では大文字と小文字の区別です。通常は「区別しない」でよいでしょう。

5.の「トークンモード」のトークンとは、延べ語数のことです。例えば「That is the phone that I bought yesterday at the store.」という文は11語なので、トークンで「11」になります。一方、「タイプモード」のタイプとは、異なり語数のことです。上記の例文では、thatが2回、theが2回出てくるので、これを重複してカウントしません。そのためタイプでは「9」になります。


それでは、前回と同じ例文を使って解析してみます。オプションは「SLV12000」、「区別しない」、「タイプモード」としてみました。
実行すると、表とともに次のようなグラフも表示されます。どのレベルの単語がどのくらい使われているのか、視覚的に判断できます。
WordLevelChecker2

表とグラフ以外にも、統計情報や読みやすさ(リーダビリティ)の指標も表示されます。またページの末尾に、単語リストを表示させるオプションがあります。
WordLevelChecker3

これを使うと、難易度レベル順(in order of difficulty level)や出現頻度順(frequency order)などで、単語を一覧表示できます。


本チェッカーの実際の使い方としては、例えばまず難易度の高い単語がどの程度あるのかグラフで確認しておきます。その後、オプションで難易度レベル順に単語リストを表示し、難しい語をあらかじめ調べておく、といった方法が考えられるでしょう。

以上です。