ローカリゼーションは、製品などを対象ロケールに適合させることであり、翻訳もその一部に含まれる。
マイクロソフトのSurfaceという製品サイトを見ていたら、面白いローカリゼーション例が見つかった。

本記事内の写真は以下のURLから引用している(2017-03-17時点)。
アメリカ版: https://www.microsoft.com/en-us/surface/devices/surface-pro-4/overview
日本版: https://www.microsoft.com/ja-jp/surface/devices/surface-pro-4/overview

まずは冒頭の製品概要である。



小さな文字の説明を見ると、1文めはアメリカ版が「Surface Pro 4 is light enough to take anywhere and powerful enough to use as a full desktop workstation.」である。対する日本版が「Surface Pro 4 は、どこにでも気軽に持ち出せる高いモバイル性と、あらゆる作業をこなすパワフルさを兼ね備えています。」である。内容的にはほぼ同じであるが、desktop workstationに相当する言葉は日本語にない。訳出しないほうが日本の消費者に受け入れられやすいという判断だろうか。

それ以上に興味深いのが後続の文である。アメリカ版は「In fact, it’s 50% faster than a MacBook Air 13”.」であるが、日本語では消えている。アメリカではMacBookを明確にライバルとしているのに対し、日本ではそういった比較は避けているようだ。

続いてペンを使っている場面だ。



人物がアメリカ版では白人女性であるのに対し、日本版ではアジア系に変わっている。
このように日本市場で親近感を持ってもらうように写真を入れ替えるのもローカリゼーションの一部である。いわば画像の翻訳である。
このSurfaceの写真では製品UIが英語のままだが、UIを日本語に変える企業もある。

続いて「Compare to Mac.」という部分である。

ここは対応する部分が日本語版にない。セクション全体を削除してあるようだ。
相手と比較して自社製品の優位性を強調することはアメリカではよく行われる(大統領選挙を見ていてもよく分かる)。しかし上記の通り、日本ではこういった比較自体が好まれないようだ。

昔、アップルがMacとパソコンを比較したCM(以下の動画)を作っていて、「こういうのは日本で受け入れられない」という議論があった。
アメリカでマイクロソフトが全く逆をやっているのが興味深い。


ローカリゼーションはテキストの翻訳だけではなく、このようにターゲットの文化を考慮してさまざまな要素を適合させる作業なのだ。