IT関連のドキュメントを読んでいると、語の最後が「-able」で終わる名詞をよく見かける。これはもともと形容詞だったものが名詞化されたものだと思われる。

たとえば、プログラミングの基本用語である「variable」、つまり「変数」だ。これは語源も判明しているようで、1816年に形容詞から作られたらしい(参考URL)。最初は数学用語である。

ほかに一般辞書に載っている語としては「deliverable」がある(OALD)。「納品物」や「成果物」といった意味になる。これも形容詞からできたのではと思われる。またdeliverableを名詞で使う際は、deliverablesと複数形にすることが一般的なので注意が必要だ。

executable」も名詞として辞書に載っている(Collins)。「実行可能ファイル」という意味になる。

さらに「wearable」もOALDに掲載されている。こちらはITの文脈で言うと「着用デバイス」を指す。


こうして見ると、もともと「-able+名詞」(たとえばexecutable file)だったのに、名詞部分が抜け、「-able」だけが残って名詞化されたのではないかと想像してしまう。
そのため「-able」という名詞を日本語にする際は「納品」、「実行可能ファイル」、「着用デバイス」と、名詞を補う必要がある。


プログラミング関連資料を見てみると、辞書には載っていないものの、名詞扱いされる「-able」が数多くある。少し探しただけでも以下の語が見つかった。

・callable
・clickable
・consumable
・commitable
・drawable
・enumerable
・immutable
・initializable
・iterable
・playable
・returnable
・runnable
・scrollable
・throwable

たとえば「commitable」は「コミット可能ファイル」、「iterable」は「イテレーション可能オブジェクト」といった意味になりそうだ。いずれの場合も日本語では「ファイル」や「オブジェクト」などと適切に補って名詞であると明示しなければならない。
品詞を転換して作られる「-able名詞」の造語力は非常に高い。今後もどんどん作られるだろうから、読む側は「-able」は形容詞だけでなく、名詞の可能性もあると考えておく必要がありそうだ。