rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

アプリ/IT

11 12月

ビジネス用クラウド egnyte を使ってみた

注意:これは2011年の記事です。時間が経つと内容が古くなっている可能性があります。


知り合いが会社を始めたので、社員 4 〜 5 人程度の小規模ビジネスで使えそうなクラウドのファイルサーバーをしばらく一緒に試してみました。以前の記事で紹介しましたが、egnyte というサービスです。


◆ 機能

これを選んだ理由は、知り合いが求めていたファイルサーバー機能の要件 2 つに合致したからです。
 ・社内のファイル共有ができる
 ・FTP によるアクセスができる

ファイル共有は大抵のサービスが提供しているのですが、FTP アクセスを提供しているクラウドサービスは多くありません。
最近は FTP を使う人はそれほど多くないのかもしれませんが、知り合いのお客さんが使っているということだったので要件となりました。実際に FileZilla という FTP クライアントを使ってみましたが、問題なくアクセスできました。

また、要件ではありませんでしたが、利便性のために次の点も考慮しました。
 ・ローカルのドライブのように使える
 ・ローカルファイルの自動バックアップ機能がある

前者は要するに、デスクトップ上にフォルダアイコンが表示されてドラッグ&ドロップで操作できるか、ということです。WebDAV を使っているので完全にローカルフォルダと同じというわけではありませんが、まあ、それほど違和感なく使えます。
後者の自動バックアップ機能は、どうも egnyte の大きなセールスポイントのようです(まだ試していませんが)。手動でバックアップする機能もありますが、Personal Local Cloud を使うと PC 内のデータとクラウド上のデータとを自動的に同期します。基本的にローカルで作業し、それをクラウドにコピーします。PC が壊れた場合などはバックアップしてあるデータをクラウドから取得できるようです。

小規模ビジネスで使うファイルサーバーとしては、このくらいの機能があれば十分でしょう。
気付いた問題点としては、日本語未対応な部分がある点でしょうか。例えば自動送信メール用に日本語を入れると、文字化けしてしまうことがあります。


◆ 価格

価格表はこちらにあります。
1 TB で月 45 ドル程度なので、他と比べて安いわけではありません。今回は FTP アクセスが要件だったので egnyte にしましたが、これが不要であれば NomadeskBox も検討した方がよいかと思います。実際のところ、自動バックアップを何人かで使うと 1 TB では足りないかもしれません。


機能的な要件を満たし、価格もこの程度であれば、まあ悪くないのではないかというのが感想です。
システム管理者を雇ったりサーバーを自社に置いたりする余裕がないスタートアップであれば、こういったクラウドのファイルサーバーを検討してもよいかと思います。
4 11月

テクノロジー系の Podcast で英語を聞く

私はテクノロジー関係の Podcast をよく聞いています。専ら情報収集ですが、英語リスニング力を維持するという目的もあります。

TOEIC 受験にリスニングの練習をしているが、いまいち興味が持てないと嘆いているエンジニアの方々は、テクノロジー関連の Podcast を試してみたらいかがでしょうか。いきなりニュースじゃ難しいという方は、初出から一週間くらい寝かせてから聞くと、背景知識がすでに分かっているので理解しやすいかもしれません。

私がよく聞いているのはこれら 4 つです。どれも 30 分前後くらいの長さで、週 1 回更新です。
ちなみに、iTunes を起動しなくても Web 上でも試しに聞けます。

・New York TImes の Tech Talk
http://www.nytimes.com/ref/technology/techtalk.html

IT ニュースと背景の解説。司会者の掛け合い漫才的なトークもある。


・NPR の Technology Podcast
http://www.npr.org/rss/podcast/podcast_detail.php?siteId=4819382

IT 関連ニュースについて真面目な解説が多い。


・PRI The World の Technology Podcast
http://www.world-science.org/category/technology_podcast/

IT だけではなく、さまざまな技術関連の話題を扱っている。自分の専門外の話だとよく分からないかもしれない。


・Wired の Storyboard
http://itunes.apple.com/podcast/wired-storyboard-audio-podcast/id329499352

こちらも IT だけではなく、恐竜やウィスキーなどさまざまな科学や技術の話題を取り上げている。インタビューが多い。


IT エンジニアであれば、最初の 2 つのどちらかがよいかもしれません。
28 10月

Android の自由のコスト

今日の記事「いよいよ“スマホ戦国時代”の勢力図が変わり始めた!市場トレンドが示唆する「10年後に笑う勝ち組」の条件」にあるように、国内スマートフォン OS の数は、すでに Android OS が iOS(iPhone の OS)を抜いています。

…一番売れている端末はiOSを搭載したiPhoneだが、iOSはiPhoneシリーズのみに対し、Android OSは各メーカー、各キャリアから様々な機種が登場しているため、これらを合計するとAndroid OSが優位に立つと言うわけだ。


アプリケーションを開発する側は、Android 用を作れば市場が大きいので有利ではないかと考えるはずです。ところが現実にはなかなかうまく行きません。引用部分にあるように、さまざまなデバイスが存在するため、アプリをどのデバイスでも利用可能にするには、コストが伴います。

下の画像は、Android Market 上の設定画面です。開発者が見られる画面で、アプリのダウンロードを許可するデバイスを手動で設定できるようになっています。もちろん OS のバージョンなどである程度は自動的にできるのですが、例えばユーザーから「私はこのデバイスを使っているが、動かない」という報告があった場合、そのデバイスを対象から除外(exclude)するわけです。

androidmarket_device_availability


しかし、動作しないのは単にそのユーザー固有の問題かもしれないので、本当にそうなのか確認が必要でしょう。確認のコストがかかりますし、もし本当に動かないのであればダウンロード可能対象から除外することになります。当然、市場は狭くなってしまいます。

つまり、Android 端末は台数が出ているのでアプリ市場全体としては大きいですが、現実には市場は細分化されているということです。Android 用デバイスは比較的自由に開発できますが、それにアプリ側で対応するためにはコストが必要になるわけです。ちなみに上の写真で除外可能な端末の数は、何と 600 以上もあります(私のアプリのケース)。

デバイス種類が増えるごとに大きくなるコストは、Android エコシステムの成長にとって脅威になるのではないかと感じます。例えばアプリ開発企業は、高い処理能力や特殊な部品が必要なアプリの開発に躊躇するかもしれません。非対応のデバイスを使っているユーザーから不満が出ることも考えられるからです。この結果、ユーザー体験の質は低下してもおかしくありません。

こういったコストは、比較的自由な Android で不可避の代償なのでしょうか。


【追記】
今日はこういう記事も別にありました。

 Android端末の“短命ぶり”が一目瞭然のインフォグラフィック

「巨大化し過ぎて、自分の体重で潰れる」という表現がありますが、そんな印象を受けてしまいます。

【さらに追記】
また同日の記事です。Android のフラグメンテーションは、OS のバージョンや多様なデバイスではなく、Android Market とは分断されている Kindle Fire によって引き起こされるだろうという主張です。

 Android fragmentation? It's Amazon, not handsets, that's the problem

25 9月

モバイルアプリ広告シミュレータを更新しました

モバイルアプリ広告収入シミュレータ」を更新しました。
私の実績データに基づき、デフォルト値を少々変更しました。

Android 普及のおかげで広告の量も増え、かつてに比べたらビジネスとして成立する可能性が高くなっているように思えます。
8 9月

「Yahoo! ボックス」と有料クラウド ストレージの比較

先日、ヤフーが「Yahoo! ボックス」というクラウド ストレージ サービスを始めるというニュースがありました。1,000 GB とはすごい容量です。しかもそれが月額 1,000 円(会員 300 円)というのですから、驚きです。

そこで、これを現在使われている大容量の有料サービスいくつかと比較してみました。サービスごとに機能が異なるため簡単に比較はできませんが、ここでは「1GB あたりの月額」に注目してみようと思います。長期割引などは厳密に考慮していないので、大雑把な参考程度としてください。

比較対象にしたのは以下のサービスです。
 ・ DropBox http://www.dropbox.com/
 ・ SugarSync http://www.sugarsync.jp/
 ・ ZumoDrive http://www.zumodrive.com/
 ・ Syncplicity http://www.syncplicity.com/
 ・ Mozy http://mozy.com/
 ・ Egnyte http://www.egnyte.com/
 ・ Box.net http://www.box.net/
 ・ Nomadesk http://www.nomadesk.jp/
 ・ Google Docs https://docs.google.com/support/bin/answer.py?hl=jp&answer=39567
 ・ Yahoo! ボックス http://info.photos.yahoo.co.jp/box/

結果はこちらです。

cloudstoragecomare


DropBox、SugarSync、ZumoDrive あたりの有名サービスは、100GB 程度で 15 円/GB くらいです。Google Docs は年契約が必要なものの、その 10 分の 1 程度です。また、Nomadesk のように容量無制限のサービスもあります(無制限ですが、フェアユース規定などはあります)。

驚いたのは、やはり Yahoo! ボックスです。何と Google Docs よりも安くなっています。これはもう単価だけ見ると世界トップクラスのサービスなのではないでしょうか。サーバーは海外のものを使っているのかもしれませんが、日本企業がここまでできるとはびっくりです。

ただし実際のところ、1000GB いっぱいまで使う人はほとんどいないと思います。そのため単価が安いからと言って大きな容量を契約すると、かえってコストがかかることもあります。
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筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
プロフィールや連絡先などについてはこちらをご覧ください。
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