rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

英語

23 3月

英語のリストの使い方解説

プログラミング英語検定のウェブサイトで、Googleによる開発者向け英文スタイルガイドの解説記事を書いています。先月と今月は、情報を見やすく整理する「リストの使い方」でした。

リストの使い方(1)
https://progeigo.org/english-topics/2020/google-styleguide-4-lists-1/

リストの使い方(2)
https://progeigo.org/english-topics/2020/google-styleguide-5-lists-2/

リストは、ちょっとした手順を説明したり、例示をしたりする際に便利です。
英語では特に「following」という言葉とコロン(:)の使い方を覚えておくと、それらしいリストになります。
11 3月

速く大量に出る英語シソーラス「Power Thesaurus」

多少は英語が書けるようになると、同じ単語の繰り返しを避けたり、もっと適切な表現を探したりしたくなる。そういうときには類義語や反意語が掲載されているシソーラス(thesaurus)を当たることになる。

有名な辞書にもシソーラスはある。ただ、ウェブページの表示が遅かったり、提示数が不十分だったりすることがある。母語でもない英語を書いているときは、どうにか思い浮かべた言葉から、もっとうまく言い表せそうな表現を何としても見つけたい状態である。だから、とにかくすばやく大量に類義語を提示して欲しい。

そんな中、まさに期待通りのシソーラスが見つかった。タイトルにもある「Power Thesaurus」である。

Power Thesaurus
https://www.powerthesaurus.org/

たとえば「regarding」という言葉で検索する。すると即座に写真のように類義語が一覧で表示される。広告が少ないのも表示が速い理由かもしれない。



デフォルトでは「rating」の順に表示されるが、これは利用者たちの投票によるスコアだ。つまり、単に類語が羅列されているというより、実際に使用されていると思われる順に提示されている。

その投票はもちろん自分でもできる。写真の上矢印(緑色)や下矢印(赤色)を押せばよい。





ページの左側を見ると、さまざまなメニュー項目がある。



たとえば上部の「Lists」には「synonyms」(類義語)のほかにも、「antonyms」(反義語)、「definitions」(定義)、「examples」(例)がある。定義については、別の定評ある辞書も併せて見てもよいかもしれない。

下部の「Parts of speech」(品詞)メニューを使うと、品詞で絞り込める。「expressions」というのは2語以上の表現なので、単に英単語だけでなく、イディオムのようなものまで提示してくれるので便利である。



ユーザー投票によるシソーラスなので、専門家的視点から見るとやや怪しい部分があるかもしれない。ただ、実際にどれをユーザーが使っているかという情報は貴重である。またすでに10年以上使われている実績はある。

だから、Power Thesaurusは「速く大量に類義語を提示する」という目的に使い、定義などの確認はきちんとした辞書を活用するという合わせ技が良いのかもしれない。
22 1月

オックスフォード英英辞典のコンピューター用語一覧

オックスフォード英英辞典(OALD)にはさまざまな分野の語彙リストが掲載されており、その中にコンピューターに関連する英語のリストもある。

 Computers
 https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/topic/computers

OALD_list_computers

図を見ると、単語一覧の右側に「C2」や「B1」といった記号がある。これはCEFR(Common European Framework of Reference)の難易度である。AからCの順に難しくなり、詳細は以下のように説明されている。

・A1 and A2 indicate elementary and pre-intermediate levels of ability.
・B1and B2 indicate lower- and upper-intermediate levels.
・C1 indicates advanced level.
・C2 indicates complete proficiency in the language.

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/about/wordlists/cefr


また青いスピーカーでイギリス英語、赤いスピーカーでアメリカ英語の発音が再生される。

さらに「Filters」ボタンを使うと、以下のようなフィルターがかけられる。

OALD_list_computers_filters

CEFRで選択できるのはもちろん、下位トピック(Subtopic)で絞り込むことも可能だ。コンピューターの場合は以下の下位トピックがある。

・Computer hardware
・Computer problems
・Computer programming
・Computer software
・Using a computer

一般的な英語の辞書なのであまり専門的な単語は掲載されていないが、学習や知識確認に役立ちそうである。

(私の会社で「プログラミング必須英単語600+」を提供しており、プログラミング英語であればこちらも参考にしていただきたい。)


【追記】
Googleの開発者向け英文スタイルガイドを解説する最新記事が1/20に公開されたので、よかったらお読みください。

 英文スタイルガイド解説(3):手順の書き方
 https://progeigo.org/english-topics/2020/google-styleguide-3-procedures/
7 1月

プログラミング必須英単語600+更新、英文スタイルガイド解説の連載

私の会社で提供している「プログラミング必須英単語600+」を更新しました。新しいバージョンはv2020-01です。

初公開後にいただいたフィードバックを基に修正しました。フィードバックしてくださった皆さま、ありがとうございました。
以下の英単語の入れ替えをしています。

  • fire:「アドバンスト」に新規追加

  • auto:「アドバンスト」から「略語」に移動

  • ops:「略語」から削除


これら以外の修正は変更履歴にまとめてあります。



同じくプログラミング英語検定のウェブサイト上で、Googleが出している開発者向け英文スタイルガイドを解説する連載をしています。
毎月の掲載で、すでに2回分が公開されています。

 英文スタイルガイド解説(1):節の順序
 https://progeigo.org/english-topics/2019/google-styleguide-1/

 英文スタイルガイド解説(2):日時の書き方
 https://progeigo.org/english-topics/2019/google-styleguide-2-dates-times/

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22 10月

名詞としての-able

IT関連のドキュメントを読んでいると、語の最後が「-able」で終わる名詞をよく見かける。これはもともと形容詞だったものが名詞化されたものだと思われる。

たとえば、プログラミングの基本用語である「variable」、つまり「変数」だ。これは語源も判明しているようで、1816年に形容詞から作られたらしい(参考URL)。最初は数学用語である。

ほかに一般辞書に載っている語としては「deliverable」がある(OALD)。「納品物」や「成果物」といった意味になる。これも形容詞からできたのではと思われる。またdeliverableを名詞で使う際は、deliverablesと複数形にすることが一般的なので注意が必要だ。

executable」も名詞として辞書に載っている(Collins)。「実行可能ファイル」という意味になる。

さらに「wearable」もOALDに掲載されている。こちらはITの文脈で言うと「着用デバイス」を指す。


こうして見ると、もともと「-able+名詞」(たとえばexecutable file)だったのに、名詞部分が抜け、「-able」だけが残って名詞化されたのではないかと想像してしまう。
そのため「-able」という名詞を日本語にする際は「納品」、「実行可能ファイル」、「着用デバイス」と、名詞を補う必要がある。


プログラミング関連資料を見てみると、辞書には載っていないものの、名詞扱いされる「-able」が数多くある。少し探しただけでも以下の語が見つかった。

・callable
・clickable
・consumable
・commitable
・drawable
・enumerable
・immutable
・initializable
・iterable
・playable
・returnable
・runnable
・scrollable
・throwable

たとえば「commitable」は「コミット可能ファイル」、「iterable」は「イテレーション可能オブジェクト」といった意味になりそうだ。いずれの場合も日本語では「ファイル」や「オブジェクト」などと適切に補って名詞であると明示しなければならない。
品詞を転換して作られる「-able名詞」の造語力は非常に高い。今後もどんどん作られるだろうから、読む側は「-able」は形容詞だけでなく、名詞の可能性もあると考えておく必要がありそうだ。


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筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
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