rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

その他

14 5月

会社を始めました

自分の会社を始めました。

合同会社 グローバリゼーションデザイン研究所
http://globalization.co.jp/

gdi

当面社員は自分1人だけですし、個人事業のときと急に大きく変わらないかもしれません。
ソフトウェアのグローバリゼーションやら翻訳やらに関するサービスを提供しています。
9 12月

大人になって読む「山月記」

私が高校生の頃には国語の教科書に、中島敦の「山月記」という小説が載っていました。青空文庫版はこちらです。

先日20年ぶりくらいに再読しました。実に面白かった。高校生当時は「人が虎になる」という表面のファンタジー的な部分しか読んでなかったのですが、大人になった今読むと主人公の気持ちも実感を伴って分かるわけです。

あらすじはこうです。
+++++
唐の李徴(りちょう)は、自分の才能に自信を持っており、つまらない上司や同僚がいる役人組織を辞め、詩作で名を残そうとした。しかし現実は厳しく、食べるのにも困るようになったため役人に戻るものの、かつて見下していた同僚はすでに出世していた。自尊心は大いに傷つき、発狂して行方不明になった。

ある日の夜、現在は高官でかつて李徴と仲の良かった袁傪(えんさん)が道を通ると、人食い虎が現れる。声からその虎は李徴であると分かった。李徴は草むらに姿を隠しつつも、昔話に花を咲かせる。袁傪はなぜ李徴が虎になったのか問う。李徴は、自分に本当は才能がないことが明らかになるのを恐れ、他人と切磋琢磨することをしなかった。一方で才能を信じていたので、臆病な自尊心は肥え太り、外面まで醜い虎に変えてしまったのだと言う。

朝になって二人は別れ、袁傪が丘の上から振り返ると、虎が姿を現して吠えた後、また草むらに消えていった。
+++++

一つ印象的な部分を引用してみます。
人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。己よりも遥かに乏しい才能でありながら、それを専一に磨いたがために、堂々たる詩家となった者が幾らでもいるのだ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html


現代でも、李徴のようなケースはありそうです。例えば、

 アホな上司のいる会社なんて辞めて独立してやる(フリーランスになってやる)!
  ↓
 実力があると思っていのになかった。しかも食えない。
  ↓
 組織に戻って末端の社員になるが、自尊心は大いに傷つく。


「山月記」から何かしらの教訓を得ることもできそうですが、教訓云々というより、働く人なら一度は持ちそうな感情を描写していて、今読んで興味深いと思った次第です。
25 7月

名刺作成サービスを試してみた

フリーランスなので、名刺は自分で用意しています。
今までは自宅のプリンタで印刷していたのですが、少し厚い用紙を使おうとするとプリンタに詰まるので困っていました。
さらに、やはりプリンタだと名刺は安っぽく見えてしまうため、自分の仕事まで安っぽく見られたら嫌だなと思い、名刺作成サービスを使ってみることに。

今回は自分のデザインを印刷でき、かつ紙の種類が豊富な「プリスタ」に注文しました。
http://www.printsta.jp/

紙は「プレミアム」プランの「エスプリVエンボス」を選びました。表面にちょっとした凹凸の装飾があります。
それで出来上がりはこんな感じです。
bizcard_01

かなり近寄ってみると、エンボス部分はこんな具合です。実際にはもっと光沢がある印象です。
bizcard_02

自宅のプリンタではこんな風には作れないので、仕上がりには満足です。
「プレミアム」プランは表カラー、裏モノクロで1,200円。それに送料が630円だったので1,830円でした。私はデータにAdobe Illustratorを使いましたが、MS Officeだと525円プラスのようです。
2,000円程度で作れるなら、苦労しながら自分でプリンタで作るより低コストかもしれません。

最近はフリーランスはもちろん、会社員でも勉強会などで個人的に活動する人が多いようですので、そういった機会に利用してみたらいかがでしょうか。
9 6月

無料オンラインコースでの実習授業

スタンフォード大学が無料で提供しているオンライン講座をいくつか受けています。この間「Computer Science 101」というクラスが終了しました。ビデオ講義と小テスト(クイズ)による方法で、なかなかうまくできているなと感じでした。

ところが、先週からスタートした「Human-Computer Interaction」がすごい。これは自分でソフトウェアの画面やインターフェイスをデザインするという授業なので、どうしても実技が入ってきます。ですから択一のクイズ形式による評価は難しい。そこで、この授業では学生同士の相互評価という形を取っています。スタンフォードの無料オンライン講座では初めての試みのようです。こういった相互評価が必要なのは、講座によっては25,000人以上が受講するからです。とても講師が採点するわけにはいきません。

学生は課題を提出すると、相互評価をする前に「採点の仕方」の訓練を受けます。サンプル課題が提示され、点数を付けてみるのです。すると、この解答にはもっと高い(あるいは低い)点数を付けよ、というフィードバックが表示されます。こういった「サンプルに対する点数付け」という訓練を何度か受けたあと、実際に相互評価を行います。流れはこうです:

自分の作成した課題提出

サンプル課題を使い、採点方法を訓練

5人の学生の課題を評価

自分の課題を自己評価

自分の課題の点数が見られる

私も訓練を受けてから5人分の採点をしてみました。最初は「なんだこりゃ?」という印象だったのですが、一方向的に「講師に採点をしてもらう」という方法にはない良さがあるように思いました。私の提出した課題も、恐らく5人くらいの学生に評価してもらえるのでしょう。スキーのジャンプの採点のように、極端な採点はカットされるのかもしれません(仕組みはまだ不明ですが)。

この初の試みがうまく行くのかどうか楽しみです。もし一定の効果があるのなら、1人の講師で25,000人超を一気に教育できる(しかも実技)わけで、非常に革新的です。もし将来、こういった無料大規模オンライン学習の手法が確立されるのなら、現在の学校は何で差別化できるのでしょうか。
23 4月

スタンフォードの無料オンライン・コース「CS 101」講義開始

以前のブログ記事で紹介した、スタンフォード大学が無料で公開しているオンライン・コースの1つが4/23から始まりました。「CS 101」(コンピューター・サイエンス101)です。当初は2月開始予定だったので、随分と遅れていたようです。ちなみに今でも登録できます。

全コースはこちらのリンクから見られます(どちらも最終的なリンク先は同じ)。
 ・Class Central: http://www.class-central.com/
 ・Coursera: https://www.coursera.org/

以前はコンピューター関連など理工系の授業が多かったようですが、それ以外の分野も追加されるようです。人文科学系なら次のようなコースです。
 ・A History of the World since 1300
 ・Fantasy and Science Fiction: The Human Mind, Our Modern World
 ・Listening to World Music
歴史、文学、音楽とさまざまです。社会科学系では例えばこれらです。
 ・Game Theory
 ・Introduction to Finance


◆ 受講の様子

上記のとおり「CS 101」を始めたので、その様子を書いてみます。

登録してログインすると、左側のメニューに、
 ・Home (ホーム画面)
 ・Lectures (講義一覧)
 ・Exercises (課題一覧)
 ・Discussion Forums (掲示板)
 ・Course Howto (受講方法)
などの項目が表示されます。次の画面は、「Lectures」をクリックしたところです。
1_lectures


CS 101では、講義を受けて課題を提出するのが基本的な流れになるそうです。講義ビデオはこんな具合です。
2_lecture

左側が講義の資料で、右下に映っている人が講師です。中央下の「Toggle」ボタンをクリックすると、講義ビデオの再生を一時停止し、資料を読むこともできます。

講義の途中でビデオの再生が自動的に止まり、練習問題が出ることがあります。気を抜けません。
3_exercise


講義を見終わったら、「Exercise」メニューから課題を解いて提出します。

また、英語の聞き取りに自信がない場合、講師の話している内容をテキストとしてダウンロードできます。
4_subtitle-text


単に講義を録画して公開しているわけではなく、このオンライン・コース専用に作られているので、非常に使いやすくなっています。これが無料だとは信じられません。

また、「Discussion Forums」を覗いてみたところ、「Study Groups」という掲示板がありました。どうやら学生の自主勉強会ができているようです。地域別のグループが多く、中でもアジアからの受講者が目立つという印象です。
5_studygroup

無料かつインターネット経由であるため、世界各国から受講者が集まるのでしょう。

「留学したいけど、授業はどんな感じなんだろう…」と思っている人は、まずこういったオンライン・コースを受けてみるのもいいかもしれません。

以上です。
★6/22発売の翻訳書★
血と汗とピクセル 『血と汗とピクセル』
筆者について
西野 竜太郎
(Ryutaro Nishino)

翻訳者。合同会社グローバリゼーションデザイン研究所・代表社員。日本翻訳連盟・理事。
プロフィールや連絡先などについてはこちらをご覧ください。
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