IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

先々週くらいに Opera Mobile 10(ベータ版)をイーモバイルのスマートフォンにインストールした。
それまで使っていた Opera Mobile 9 からかなり使用感が良くなった。

まずトップにお気に入りの Web サイトが 9 つ表示できる「Speed Dial」。
これまでは一度ホームページを表示させた後、いちいちブックマークから他の行き先を選んでいた。
それが 9 つのサイトから一発で選択できるので、非常に便利だ。

それより何より、日本語を入力した際にきちんと日本語が表示されるようになった。
これは何かと言うと、例えば Gmail でメールを書くとき、バージョン9 までは日本語の文字を入力するとなぜか文字同士が重なってしまい、まともに入力できなかった。
だからブラウザ上で日本語メールを書くときは非常に苦労した。
しかし 10 ではこの点が改善されたようで、問題なく日本語を入力できた。
(ただ私が使っていた 9 も古いベータ版だったので、以降で直っていたかもしれない)

Opera が売りにしているのは、「Opera Turbo」という機能らしい。
これは画像のような大きなデータを見る場合、一度 Opera のサーバを経由する。
このとき、サーバで画像を圧縮し、サイズを小さくしてからダウンロードできる。
確かに帯域が狭い(速度が遅い)携帯電話の場合であれば、これは有利かもしれない。
ところがイーモバイルのように 3G や 3.5G の高速回線を使いたい放題の場合、帯域はあまり問題にならない。
定額であれば、パケット節約による費用削減効果もない。
さらに、画像は圧縮した場合に荒くなる。試してみたが、例えばニュース写真で人物が写っていても、ほとんど誰か判別できないくらい荒くなることもある。
これは携帯電話のブロードバンド化が進んでいない国で使うなら便利だが、日本ではあまり必要ないように思われる。
(それよりも、端末のプロセッサ速度が遅いため、むしろ描画処理に非常に時間がかかる。)
あと、一度 Opera のサーバを経由するならセキュリティ上問題があるのではないかと思ったが、どうやら SSL みたいな通信は経由させず、直接通信を行なわせる仕組みになっているようだ。


ところで、PC のブラウザであれば、どのブラウザがどのくらいシェアを持っているか、多少なりとも IT に興味のある人なら知っているのではないだろうか?
大まかには、Internet Explorer が 50% ちょっと、FireFox が 30%くらい、Chrome や Safari が数パーセント程度。

これまでモバイルのブラウザ シェアについてはまったく聞いたことがなかった。
そこで StatCounter というサイトで調べてみたら、少し驚いた。
モバイル ブラウザについては、Opera がトップらしい。シェアは約 25%。
2 位は iPhone で約 22%。

Mobile_StatCounterGlobal

Bar_Mobile_StatCounterGlobal


2004 年からモバイルで Opera を使っている私としては、意外な活躍にちょっとうれしくなった。
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普段は翻訳ばかりしていて話すことがないので、英語でのスピーチやミーティングはあまり得意ではありません……。
ところが現在、大学院の PBL(プロジェクトベースの学習方法)グループでベトナムの大学院生たちと共同でソフトウェアを開発しているため、ビデオ会議で英語を話す必要があります。
そこでミーティング英語と銘打たれた本を買い、特有のフレーズをいくつか暗記しました。
それはそれで役に立つのですが、なかなか応用が利きません。
費用対効果というか、暗記量に対する応用場面が少なすぎます。

何か良い本はないかと探していたら、この本を見つけました。
具体的なフレーズを覚えさせるのではなく、タイトルにもあるように「思考法」を解説しています。

(1)英語の情報パッケージ
(2)潜在意識のテンプレート
(3)滑らかなサウンドストリーム
(4)成功を左右する雑談
(5)メロディーとそこに隠された意味
(6)標識となる言語の威力
(7)メッセージデザイン

たとえば(1)の場合、英語では思考の最小単位は「文節」であり、文節で区切って情報をパッケージ化するとよい。
(2)の場合、ネイティブスピーカーの思考テンプレートは「実行者 → アクション → 目標」となっているため、それを使うと理解されやすい。
などという具合に、7 つの思考法について解説しています。

私はあまり英語学習の本を買わないので比較できませんが、これは非常に良いと思いました。
目から鱗の優れた一冊で、特に例文暗記でうんざりしている人には良いかもしれない。
あと、(私もそうですが)TOEIC の点数は高いのに、あまりしゃべれない人にもお勧めです。


ドクター・ヴァンスの 英語で考えるスピーキング―すらすら話すための7つの思考法ドクター・ヴァンスの 英語で考えるスピーキング―すらすら話すための7つの思考法
著者:ウィリアム A. ヴァンス
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追記:この記事では、どのstrings.xmlが読み込まれるかでロケールを判別していますが、JavaのLocaleを使って取得できますし、そちらの方が標準的かと思います。(2010/11/21)
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先日仕事の一環で Android アプリケーションを作成し、日本語から英語にローカライズしました。
本日(09/10/10)段階ではまだリリースしていないので、残念ながら詳しい機能は書けません。

今回は、日本語、英語(一般)、英語(アメリカ)の 3 つのロケールで表示機能が変わるようにプログラムしました。
ロケール設定自体は Android 端末本体が記憶していて、アプリケーションの実行時にそれを読み込み、表示と機能を切り換えるという仕組みです。

[これ以下の話は、記事「アプリを国際化してAndroid Marketから世界へ発信」程度の予備知識を前提にしています]

具体的にはそれぞれのロケールについて、文字列を格納しておく XML(strings.xml)にそのロケールを表す文字を入れておきます。
今回私は「en」、「en-rUS」、「ja」などとしたのですが、(if 文や switch 文などで)区別が付けばいいだけなので、別の文字でも数字でも大丈夫かと思います。
Eclipse を使った場合のフォルダ構成と、キー・値は以下のような感じです。

Android_Localize_01


このように strings.xml にロケールを示す文字を入れておき、onCreate() 実行時にその文字を読み込むようにします。
それを適当な変数に格納します。

Android_Localize_02


これで、Android 携帯端末本体に設定したロケールを読み込み、アプリケーションで指定できます。
これが便利なのは、表示だけではなく機能までロケールごとに変更できる点です。
例えば if 文で変数の中身が "ja" だったら、「メートル」や「キログラム」で計算し、"us" だったら「インチ」や「ポンド」で計算するといったことができます。
今回私は strings.xml に入れましたが、もうちょっとスマートな方法があるかもしれません。


この程度の方法なら誰でも考え付くだろうと思っていたら、Android Market にわざわざロケール別のアプリを出している人がいました。
あまりに単純なのでわざわざブログ記事にするものどうかと思いましたが、せっかくなのでメモ程度に残すことにしました。
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