IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

昔アメリカに「Life」という写真雑誌があった。
1936 〜 1972 年までは週刊で発行されていて、その後月刊になったようだ。

最近 Google Books でその週刊の分について提供を始めたらしい。
http://books.google.com/books

「Japan」や「Tokyo」などで検索してみたが、やはりこの時期は戦争に関する話題が多い。
死体や生首の写真が普通に掲載されていたのには驚いた。


あと、当時の広告も載っている。
昔の生活や文化が見えて面白い。
例えば、日系二世に関する記事(1940 年 11 月 14 日号)を読んでいたら、こんな広告(写真)があった。

kreml

(Life 1940 年 10 月 14 号の 89 ページ。http://books.google.com/books?id=LEoEAAAAMBAJ

HOW DO YOU LOOK TO THE PRETTY CASHIER?
(君はあのかわいいレジの女の子にどう映ってる?)

右上の男は、洗いざらし(WASHOUT)で髪がボサボサで、NO SALE(全然ダメ)!
その下の男は頭頂が老けて(OLD TOP)いて、NO SALE!
その左の男は油塗りすぎのテカテカ(SLICKER)で、NO SALE!
左下の男は Kreml を使っているので、★★★★で最高の男(HEAD MAN)!


1940 年といえば真珠湾の 1 年前で、すでに世界各地で戦争をやっているわけですが、普通の人の生活なんてこんなもんだったんでしょう。
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池田信夫氏のお勧め本で見て買いました。
特にデジタル経済における「無償」(Free)について考察した本です。

無償の歴史(カミソリのジレット社のおまけなど)から始まり、現在のインターネットの無償サービスに至るまで、さまざまな無償サービスの形態を解説しています。
特に有用だと思ったのは最後のまとめで、「無償の法則 10」「フリーミアム(Freemium)の戦略」「無償のビジネスモデル 50」について触れています。

その 3 つについて一部を紹介:

◆ 無償の法則 10
 1. デジタルであれば遠かれ近かれ無償になる
 2. 財も無償に向かうが、それほど強力ではない
 3. 無償化は止められない
 4. 無償から利益を上げることは可能
 5. マーケットを再定義せよ

◆ フリーミアムの戦略
 ・自分にとって最適なフリーミアム モデルを探す
 ・適切なコンバージョン率は何か
 ・無償の顧客の価値は

◆ 無償のビジネスモデル 50
 ・直接補償型
  - ハードウェア有償、ソフトウェア無償(IBM や HP の Linux)
  - ハードウェア無償、ソフトウェア有償(ハードウェアをコスト以下で提供するゲーム機)
  - ショー無償、ドリンク有償(ストリップ クラブ)
  - ショー有償、ドリンク無償(カジノ)

 ・第三者補償型
  - コンテンツ無償、読者へのアクセスを販売(広告メディア)
  - 閲覧ソフト無償、文書作成ソフト有償(Adobe)]
  - 女性無償、男性有償(バー)
  - リスト無償、検索有償(Craigslist のニューヨーク版不動産)
  - レジュメ一覧無償、詳細検索有償(LinkedIn)

 ・フリーミアム(一部ユーザーが他のユーザーを補償)
  - 基本情報は無償、詳細情報は使いやすいフォームで有償(BoxOfficeMojo)
  - Web コンテンツ無償、印刷物有償(雑誌から書籍まで)
  - コンピュータ間の通信無償、コンピュータ電話間の通信有償(Skype)
  - 写真共有サービス無償、追加ストレージ有償(Flickr)
  - 仮想の旅行無償、仮想の土地有償(Second Life)


ここに全部は書きませんでしたが、最後のまとめを読むだけでも価値はあるのではないかと思います。


Free: The Future of a Radical PriceFree: The Future of a Radical Price
著者:Chris Anderson
販売元:Hyperion
発売日:2009-07-07
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Android プログラミングを勉強するのに本を数冊買った。

Android は Java 言語でコーディングするので、まず Java は必須です。
ただし、その手法はかなり特殊です。
すでに用意されているクラスを継承してプログラミングするというケースが多い。
そのため Java が分かっていてもすぐに Android アプリケーションが作れるようになるわけではありません。
Android 独特のやり方を覚えなきゃならない。

他にも、モバイルはメモリや電力に限りがあるため、アプリケーションがバックグラウンドに回ったときの処理方法まで考えなければならないことがあります。
ここがリソースが豊富なデスクトップや Web のアプリケーションとは違う部分です。

『初めてのGoogle Androidプログラミング サンプルで学ぶ必須作法と基本手順』(ジェローム・ディマジオ)
サンプルを作りながらプログラミングを覚えていくという伝統的な方法を採用している。
ただ、バージョンがやや古くなってしまっている(SDK 1.0)ので、今から買うのはどうだろうかと思う。

『初めてのAndroid』(Ed Burnette)
こちらも「数独」のサンプルを徐々に発展させながら勉強していく。
だから途中の章を飛ばすとちょっと分からなくなってしまう・・・。(サンプルコードは入手できますが)
Amazon での評価が低いのだけど、1 から順に学習するのであれば、厚くはないし、それほど悪くないと思う。

『Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容』(木南 英夫)
もし 1 冊だけ買うならこれがよいと思う。
2009 年 6 月発売で、情報も最新。
サンプルを使っている点は同じだが、それぞれのサンプルが独立しているので、前の章から順番にやっていく必要はない。
あと機能の解説も細かく、レファレンス本に近い使い方もできる。
Android マーケットへの出し方や付属ツールの使い方など、周辺の情報も記載されている。

Android はものすごい速さで進化しているから、本を出す方も大変だ。
翻訳なんてしてたら、すぐに古くなってしまうし・・・。


Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容
著者:木南 英夫
販売元:日経BP社
発売日:2009-06-04
おすすめ度:4.5
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