Android Apps Marketing: Secrets to Selling Your Android App (Que Biz-Tech)Android Apps Marketing: Secrets to Selling Your Android App (Que Biz-Tech)
著者:Jeffrey Hughes
販売元:Que
(2010-09-30)
販売元:Amazon.co.jp
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恐らく現在、Android アプリのマーケティング方法を専門的に扱っている唯一の本です。

まぐれ当たりで一攫千金を狙うのではなく、手堅く売上を伸ばす方法を解説しています。アプリ独自の価値を見極め、それに合った価格を付けた上でマーケティング・プランを実行しようという内容です。アプリを開発したが思ったほど収益が伸びないと感じている個人や企業は多く、開発の次の段階、つまり収益化に取り組むにあたって参考になるかと思います。

ただし、去年の 9 月に発行された本なので、Android Market などの説明がやや古くなっています。
邦訳はありません。(実は某出版社に翻訳を提案したのですが、興味がないようでした)

目次は次のようになっています。
はじめに

第 1 部 マーケティング・メッセージ
 第 1 章 Android アプリのマーケティング戦略: 満塁ホームランまたはシングル・ヒット
 第 2 章 売れるアプリに必要なもの
 第 3 章 アプリのユニークな価値を明確にする
 第 4 章 ターゲット・ユーザーを明確にする
 第 5 章 アプリのトータルなメッセージを構築する

第 2 部 メッセージを伝える
 第 6 章 ネットの口コミ
 第 7 章 アプリのマーケティングにソーシャル・メディアを活用する
 第 8 章 マーケティング活動のタイミング
 第 9 章 アプリについて伝達する

第 3 部 Androidアプリの価格を決める
 第 10 章 アプリの価格を決める
 第 11 章 アプリの価格を分析する
 第 12 章 価格ではなく価値で売る
 第 13 章 Android Marketの有料カテゴリで上位に食い込む
 第 14 章 無料アプリで対等に戦う
 第 15 章 アプリ価格の上げ下げ
 第 16 章 アプリのプロモーションとクロス・セル
 第 17 章 Androidの分析ツールを活用する

第 4 部 マーケティング・プランの実行/アプリの公開
 第 18 章 マーケティング・プランの必要性
 第 19 章 マーケティング・プランの要素
 第 20 章 マーケティングの必須項目
 第 21 章 Androidマーケティングに不可欠な25の活動
 第 22 章 プランを実行する
 第 23 章 企業マーケティングにおけるAndroidアプリ

付録
 競合分析ワークシート


さらに細かく各章の内容を解説すると次のようになっています。これで大体の内容は分かるかと思います。

◆ 第1部 マーケティング・メッセージ

第1章 Androidアプリのマーケティング戦略: 満塁ホームランまたはシングル・ヒット
Androidアプリは、「大成功」、「着実な成功」、「不成功」の3つに分類できる。開発者は大成功を狙いがちだが、着実な成功に目を向けた方がよい。不成功は、マーケティング努力によって着実な成功に変えられる。これを認識した上でAndroidの販売戦略を決定する。

第2章 売れるアプリに必要なもの
アプリはユニークなものとした上で、興味を引くようなメッセージを構築しなくてはならない。全く新しいアイデアが出なければ、既存のアプリを改良する方法もある。また成功するには頻繁に機能をアップデートする必要がある。マーケティングは1回限りの活動ではなく、潜在顧客の注意を引いて購買に導く活動の連続である。

第3章 アプリのユニークな価値を明確にする
マーケティングを成功させるには、アプリのユニークな価値を見極め、それについて明快で簡潔なメッセージを構築する必要がある。ユニークな価値は競合の強みと弱みを調べることで分かる。ユニークな部分を把握することで、プレス・リリースやWebデザインを作成する場合に役立つ。

第4章 ターゲット・ユーザーを明確にする
アプリ販売では、市場のセグメンテーションが必要である。セグメンテーションはAndroid Marketでどのカテゴリに登録するかというところから始まる。また、性別や年齢などで分けたターゲット層から市場を理解しておくと、適切なメッセージを構築しやすい。

第5章 アプリのトータルなメッセージを構築する
アプリのマーケティングは、プレス・リリースやメール配布にとどまらない。最高の結果を得るには、アプリのトータルなメッセージを構築する必要がある。アプリ名、アイコン、Android MarketやWebサイトの文言などである。

◆ 第2部 メッセージを伝える

第6章 ネットの口コミ
インターネットとツールのおかげで、アプリ露出の機会が増えた。適切なマーケティング方法を採用すれば、個人開発者でもブランドを構築できる。好意的な記事や口コミを出してもらうのは簡単ではないが、新聞などのメディアに無料で露出できるチャンスはある。

第7章 アプリのマーケティングにソーシャル・メディアを活用する
ソーシャル・メディア・マーケティングとは、リード獲得を狙うのではなく、潜在ユーザーとの対話を行う場所である。ソーシャル・メディア戦略の構築には時間がかかるが、ブロガー、Twitterユーザー、LinkedInグループなどに協力を求めることで、時間を節約できる。

第8章 マーケティング活動のタイミング
ユーザーがアプリを購入するかどうかは、今まで何本アプリをダウンロードしたか、いくらまでならアプリに予算を割けるか、といった点に影響される。またアプリの売上は季節的な影響も受けることがある。アプリの公開時にはプレス・リリースを出したり、キャンペーンを打ったりする。

第9章 アプリについて伝達する
マーケティング活動の第一歩としてプレス・リリースが活用できる。プレス・リリースはアプリ公開時や更新時に出す。見出し、要約、本文、連絡先という構成とし、アプリの価値を伝えるようにする。

◆ 第3部 Androidアプリの価格を決める

第10章 アプリの価格を決める
すぐに最低価格としない。まず類似アプリの価格やカテゴリ内の価格レンジを調査する。それに基づいて自分のアプリと比較して決める。最初に高めにしておけば、プロモーション時などに柔軟に価格を設定できる。シェア獲得などを狙って無料としている開発者もいる。

第11章 アプリの価格を分析する
開発に着手する前にコストを計算しておく。費用対効果の分析をすれば、開発やマーケティングにお金を投じるべきかどうか、妥当な判断が下せる。損益分岐点の分析をすれば、利益が出るまでにいくつ売ればよいのか把握できる。

第12章 価格ではなく価値で売る
限られたユーザーを対象にしたアプリを開発した場合、価格ではなく価値で売ることを考える。生産性向上、問題解決、コスト削減を目的としたアプリは、価値に応じた値段を付けられる。

第13章 Android Marketの有料カテゴリで上位に食い込む
有料カテゴリの上位に入るアプリにはゲームが多い。無料版と組み合わせて、上位に食い込むチャンスを高める。ブランドを構築するのも有効だ。また、購入者やプロから好意的なレビューをもらうようにする。

第14章 無料アプリで対等に戦う
アプリの収益化には様々な戦略が考えられる。無料版のみで広告を表示する方法、無料で広告ありだがオフにできる有料オプションを提供する方法、無料版と有料版を開発する方法である。

第15章 アプリ価格の上げ下げ
価格戦略はできるだけ販売開始前に立てておく。同じカテゴリのアプリの価格を調査する。販売開始後数か月は動向を見るため価格は維持し、高すぎるようであれば低くする。一時的に価格を落として購入を促すことも検討する。

第16章 アプリのプロモーションとクロス・セル
プロモーションとクロス・セルはマーケティング・プランに組み込むようにする。適切なプロモーションにより、利益とブランドを高められる。クロス・セルとアップ・セルにより収益を向上させられる。

第17章 Androidの分析ツールを活用する
分析ソフトを使うと有用なデータを得られるため、アプリの改善、マーケティング方法や価格の修正などに役立つ。コードの埋め込みは簡単で、無料で使える。

◆ 第4部 マーケティング・プランの実行/アプリの公開

第18章 マーケティング・プランの必要性
マーケティング・プランを立てることで、着実な販売と利益を確保できる可能性が高まる。プランによって、ターゲット市場に集中できる、マーケティング予算を確保できる、進捗を測れる、などの効果が得られる。

第19章 マーケティング・プランの要素
プランには、目的と目標の設定、市場分析、ビジネス環境、SWOT分析、マーケティングの焦点、売上と収支、マーケティングのカレンダーといった要素がある。

第20章 マーケティングの必須項目
マーケティングとそれにかかるコストとのバランスは、試行錯誤が必要である。公開前、公開中、公開後というカテゴリに分けて考えるとよい。

第21章 Androidマーケティングに不可欠な25の活動
25の活動は、アプリの公開、価格とプロモーション、Webサイトの構築、ソーシャル・メディアの利用、その他という大きな 5 セクションに分けられる。例えば「ソーシャル・メディアの利用」セクションには「YouTubeの活用」といった具体的な活動が含まれている。

第22章 プランを実行する
マーケティングには継続的な努力が必要である。マーケティング・プランとマーケティング・カレンダーを使って、キャンペーンの進捗を追跡し評価する。

第23章 企業マーケティングにおけるAndroidアプリ
Androidアプリを作成して、ブランド認知、顧客との対話、ロイヤリティ向上を図ろうとする企業は増えている。また、銀行などWebの延長としてモバイル・アプリを提供する企業も増加し、顧客満足を高めている。


以上です。