※ この記事は 2009 年 7 月に書かれたものです。内容が古くなっている可能性があるためご注意ください。(2010/10/31)


入門編でグローバル TM を使って一通り翻訳する方法を紹介しました。
次は中級編の(1)として、自分で TM を作ってみます。

確認ですが、「TM」は「翻訳メモリ」のことです。
原文と訳文をセットにして格納するデータベースで、既存原文に近い新規原文が翻訳対象ドキュメント中に登場した場合、その既存原文に対応する訳文を検索して取得してくれるツールです。


◆ TM の作り方

1. Google Translator Toolkit のサイトにアクセスし、Google のアカウントでログインします。

2. 左カラムから [Translation memories] をクリックして選択します。

3. [Add] をクリックします。

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4. 翻訳メモリの追加画面が表示されるので、必要な情報を入力します。

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  ・[Select a file: (optional)]
    →  .tmx ファイルを使う場合に入力(オプション)。

  ・[Translation memory name]
    →  作成するメモリの名前を入力。

  ・[Sharing]
    →  作成するメモリを他人と共有する場合は [Share with everyone]、共有しない場合は [Not shared with everyone] を選択。一度選択したら変更できません。

.tmx という名前が出てきました。
これは翻訳メモリのオープンな XML 標準です。
プロの翻訳者はよく Trados というツールを使いますが、この Trados にも採用されています。
もし仕様に興味があればこちら

5. [Add TM] をクリックします。

6. 「空の TM を作成しますか?」という確認が表示されますが、[OK] を押します。

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7. このように TM ができあがります。
[Sharing] が [me] となっているのは、誰とも共有せず自分だけで使っているということです。

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8. できあがった TM はドキュメントを翻訳する際に選択できるようになっています。

  ・既存のドキュメントで別の TM を変更する場合
    1. 開いたドキュメントのメニューから [Edit] → [Properties...] を選択します。
    2. Properties ダイアログが出るので、プルダウンから使用する TM を選択して [OK] をクリックします。

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  ・新規のドキュメントで別の TM を変更する場合
    1. ファイル選択の画面で [Active] なドキュメントの [Upload] を選択します。
    2. ドキュメントのアップロード画面で [Sharing] の [+] ボタンを押して展開します。
    3. 使用する TM を選択します。

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このように非共有の TM を作っておくと、翻訳した訳文を自分専用に保存し、後で再利用できます。


以上です。
次回は中級編の(2)として用語集の設定について書こうかと思います。