IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

カテゴリ: アプリ/IT

公開しているAndroidアプリ「シンプル体重レコーダー」のダウンロード数(総インストール数)が100万を突破しました。
ユーザー各々の想いから「よし、これを使ってみよう」とダウンロードしてくださったわけで、単純に数字には還元できないものの、やはりうれしいことです。



最初に公開したのが2009年なのですでに6年目のアプリになってしまいました。
当時は日本ではドコモが初めてAndroid搭載端末を出すか出さないかの時期で、アプリも個人開発者が趣味で出しているようなものが中心でした。この変化を考えると実に感慨深いです。

そもそも英日言語対応のアプリを開発しようと思ったのは、来るべきスマートフォン時代のローカリゼーション・ビジネスにいち早く参入しようという意図がありました。
確かにスマートフォン時代は到来したのですが、スクリーンに表示される文字数が少ないため「1ワード翻訳していくら」が主流のローカリゼーション・ビジネスでは大して儲からないことが分かるという残念な結果になりましたが……。

以上です。
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ほとんど電話をしないのでスマートフォンをやめ、7インチのタブレット「ASUS Fonepad」で音声通話もすることにしました。
本当は電話も要らないのですが、本人確認で電話番号を求められるケースがあるので仕方なく…。

やはり画面が大きいのは素晴らしい。入力も楽で、バッテリーも長持ちする。

ただ7インチを片手で持って通話するのも疲れそうなので、昔の黒電話風の受話器を買い、さらに昔のダイアル風アプリをインストールしたらこんな感じになりました。

phone

街中でカバンから取り出し、ダイアルを回して電話をかけたい、ドヤ顔で。

このタブレットはSIMフリーなので、通信会社もMNPで「日本通信」に変え、「スマホ電話SIM」を契約しました。音声通話の月基本料が1,080円、データ通信は1GBまで定額で1,980円のプラン、合計月3,060円です。まあ自宅や学校ではWiFiを使っているので、私の場合は1GBもあれば十分でしょう。


ちなみに、受話器はLEICKEという会社のもの、ダイアル用アプリは「Rotary Dialer PRO」です。

あと、タブレット通話は面白そうだがでかい受話器を持ち歩けないという方は、Bluetoothの小型無線受話器みたいなのもあります(例えばGreen House製品)。
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以前の記事「いい設計をするには豊富なボキャブラリーが必要か」に記載したように、英語でメソッド名を付ける方法に関して興味を持っているプログラマーは少なからずいるようです。

メソッド名で使う英語に関するサイトや研究はないかと探したところ、少し見つかりました。
基本的にJava言語です。


まず、Stephen Colebourne氏のブログ記事「Common Java method names」です。
動詞や前置詞が合計20個ほど紹介されています。
CommonJavaMethodNames



次に、Einer Host氏の博士論文「Meaningful Method Names」です(PDFはページ最下部「閲覧/開く」からダウンロード)。
こちらはかなり長いため私は全部目を通しておらず、内容の紹介はできません。面白そうな論文が見つかった、程度です。

具体的な英単語を載せた図表がいくつかあったので、興味があれば前後の文脈も含めて読んでみてください。まず57ページからの一部引用です。
CanonicalMethodNamesForJava_58

次に123ページからの引用です。
CanonicalMethodNamesForJava_123


ちなみにHost氏は「Java Programmer's Phrase Book」(同博士論文の第8章)というものを作成していて、論文内では部分的にしか触れていません。フルバージョンもあるらしいのですが、紹介されているリンク(http://phrasebook.nr.no)が切れているので、このPhrase Bookの内容は不明です。非常に面白そうですが。

ブログのリンクや論文の参考文献を辿って行くと、関連したリストや研究も見つかります。
以上です。
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(プログラミングの話なので専門的です。)

先日、メソッドや変数の命名方法に関する勉強会に参加しました。
そこで聞いて印象的だったのは「いい名前をつけようと思ったら設計をしっかりしないといけない」という話です。例えばちゃんとクラスが分割できていないと、その内容をきちんと表す言葉で命名もできない。つまり「設計→言葉」という方向です。これはまったくその通りだと感じました。

その後しばらくして、言語学のある理論を思い出しました。100年くらい前までは言葉というのはラベルのようなものと考えられていました。例えばワンワン吠えるあの動物に対し、日本語は「犬」、英語は「dog」というラベルを付けて認識するという考え方です。
しかしソシュールという学者が登場して以後、実体(犬など)がまずあって次にラベルを付けるのではなく、ラベルがまず存在することで初めて実体を認識できるという考え方が出てきました。例えば虹の色です。日本語では虹を7色で認識しますが、もっと少ない色数で認識する言語もあります。日本語であっても、一般的な日本人なら7色かもしれませんが、多くの色名を知っているデザイナーであれば更に細かく認識するかもしれません。ボキャブラリーの豊富さが認識の精度に関わるわけです。

つまり「設計→言葉」という方向とは逆に、多様な言葉を知っているからこそうまく設計や分割ができるという方向も考えられるのではないかということです。すなわち「言葉→設計」の方向です。いわゆるデザインパターンもそれに近いのかもしれません。

もしよい設計をするために豊富なボキャブラリーが必要なのであれば、プログラミング言語能力を鍛えると同時に、自然言語の能力も鍛えなければならない。この辺りは卵か鶏かという話かもしれません。
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注:2011年の情報です。

先日、確定申告をするために去年の資料を集めていたところ、Android アプリ関連の売上が集計できました。
このブログの訪問者にはアプリ収益化に興味を持っている個人開発者も多いので、公開してしまいます。参考にしてみてください。

売上の内容は次の通りです:
 ・アプリは 1 種類だが、無料版と有料版(高機能)がある
 ・無料版は「広告」による収益
 ・有料版は「販売」による収益

2011AppSales

◆ 広告収益について

売上合計を見ると広告が大部分を占めるため、こちらをもう少し細かく見てみます。

2月の広告収益がゼロになっています。これは一定金額に満たなかったため、翌月にまとめて支払われました。
広告収入は 3 月くらいまでは微々たるものでしたが、4、5 月以降に急に伸びています。この理由としては、(1)アプリで広告の見せ方を変えたという点がありますが、それ以上に、(2)この時期から企業がモバイル広告に予算を使うようになった点が挙げられるのではないかと思います。日本や海外でスマートフォンの所有者が増えたためでしょう。この時期にやっと Android アプリの個人ビジネス環境が整ってきました。

広告を載せてある無料版のダウンロード数などのデータはこうなっています。
2011FreeVerData

この 1 年間の傾向はこのような感じです。
 ・1 日平均ダウンロード数は「755」
 ・日本の「健康&フィットネス」の無料カテゴリで、概ね 50 位以内には入っている
 ・同様な機能のアプリ(体重管理)では、日本で 4 〜 5 位、世界でも 10 位以内には入っているか
 ・「小当たり」くらい?

広告収入で重要になるのは、1 日平均のダウンロード数ではないかと思います。というのも、アプリは 1 回あるいは数回使ったらもう使われなくなることがあるので、累計ダウンロード数はそれほど参考にならないのではと感じるからです。実際、11 月に 1 日平均が 436 まで落ち、翌月(12 月)の収益が大きく減っています。


◆ 収支

かかったコストといっても、大部分が自分自身の賃金です。残りは参考書くらいでしょうか。プログラミング、日英マニュアル作成、サポート対応などのトータルで、「1 か月半〜 2 か月」程度の時間です。ほとんどが 2010 年の作業であったため、現在は回収期間です。

儲かったかどうかは、自分自身の賃金をいくらに設定するかによります。今後もしばらく収益が上がりそうなので、個人ビジネスとしては何とか合格点かなとは感じています。企業がやるビジネスだとしたら、ちょっと厳しいかもしれません。


◆ 英語版は作るべきか

1 日平均ダウンロードが 755 と書きましたが、この数字が出ているのは英語版があるからでしょう。当アプリのユーザーは 7 割が海外、3 割が日本です。英語版があるかどうかがダウンロード数と広告収入にかかわってくると思います。

英語版があるのは有利ですが、作って最も苦労するとしたら英語によるユーザーサポートでしょうか。主にメールの応対です。ただし私がやり取りするメールは 1 か月に数件程度なので、それほど恐れる必要もないかもしれません。
UI の翻訳は 1 回こっきりなので、実はそれほどコストはかかりません。逆にサポートは継続的な仕事になります。英語によるサポートのコストを減らすには、サポートが要らないような設計でアプリを作るか、(恐らく次善の策ですが)あらかじめマニュアルなどを用意しておくべきでしょう。

そもそもアプリの英語版を作らない、という選択肢もあります。しかし、ダウンロード数を伸ばしたいのなら英語版は避けられませんし、開発者も今後「グローバル化」に対応しなければならないのであれば、むしろいいチャンスでしょう。小さめのアプリで英語版を作り、苦労しながら対処して実践で英語力を伸ばすというのは、将来への投資とも考えられます。


◆ 個人はアプリ開発で生活できるか

上でも書きましたが、1 年前に比べて環境はかなり良くなっています。スマートフォン所有者が増えたため、販売や広告で収益が上げやすくなりました。
月 10 万円ほど売り上げられるアプリを数本用意できれば、「大当たり」がなくても生活できるでしょう。受託開発などと組み合わせれば、それよりハードルは下がります。ちなみに私の本業は翻訳です。
また、アプリ開発は場所に縛られないので、物価の安い土地に住んで生活コストを下げるといったこともできます(最近よく聞く「ノマド」も可能です)。

以下は私の意見です。
個人開発者は企業と競争しても簡単には勝てません。そのため、やはり狙うはニッチ分野のアプリかと思います。Google Play(旧 Android Market)のカテゴリでトップクラスに入らなくても、独自性を出せればダウンロードは期待できます。
また、高機能なアプリを 1 つ作るより、機能が明確なアプリを複数作った方がよいのではと感じます。そして人気が出たものを改良していくという方法です。

以上です。


『プログラムもできない僕はこうしてアプリで月に1000万円稼いだ』
チャド・ムレタ (著), 児島 修 (翻訳)
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