rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

英語

24 11月

オンライン講座「プログラミング英語の読み方」を出しました

先週、「プログラミング英語の読み方」というオンライン講座を私の会社から公開しました。

・リンク:https://globalization.thinkific.com/courses/reading-programming-english

academy_reading_20201117

ソースコードの関数名やコメント、APIリファレンス、マニュアルなど、プログラミングで触れる英語ドキュメントを読むコツを解説しています。ビデオは約1時間半です。
また、重要な英単語や英語表現をまとめた資料(PDFファイル)がいくつもダウンロードできるようになっています。

価格は1,650円で、90日間アクセス可能です。無料プレビューも可能です(ただし登録要)。

なお基本的には『プログラミング英語教本』をベースにしており、同書をお読みの方には新しい内容ではないのでご注意ください。
22 10月

新幹線の案内、英文テクニカルライティング的にはこう書く

先日、東海道新幹線に乗っていたら、各座席の前に案内が掲載されていた。開くとテーブルになる部分である。

東海道新幹線の座席部分案内


英語の案内文を見ていると、自分なら英文テクニカルライティングの発想でこう書くのではないか、と感じる点がいくつかあった。そこで試しに書き直してみたい。
現状の英文が間違いだと言いたいのではなく、あくまでテクニカルライティング的な発想をしたらという一例である。



まず「SOS」というオレンジ色のアイコンの右側にある2つの英文である。

【1】In case of emergency, you can talk to the train crew via intercom beside the door.
 → In case of emergency, you can talk to the train crew via the intercom beside each door.

ここは冠詞の使い方に疑問があった。特に末尾に「the door」とあるが、読者がどのドアか特定できているかは不明だ。定冠詞theは読者が知っているものに対して使う。図をよく見ると、車両の前後どちらのドアにも「SOS」アイコンがある。つまりどのドアの脇にも通話装置があると考えて「each door」を使った。


【2】Please notify the train crew immediately if you find any suspicious items or unattended baggage.
 → If you find any suspicious items or unattended baggage, notify the train crew immediately.

英文テクニカルライティングだと、文の最初に条件節を書くとされている(Googleの例)。どのような条件であればこの文を読み進めればよいのか、最初に提示するためである。つまり、不審物などを見つけた場合にのみ全文を読めばよいので、読者に余計な負荷をかけずに済む。
また、指示文に「please」は不要とされている(同じくGoogleの例)ので削除した。日本語的な発想だと失礼な感じがするが、英文テクニカルライティング的には問題ない。


続いて、ノートPCと携帯電話のアイコンの右側にある2文である。

【3】The power outlet located in your armrest is for laptop or mobile phone only. Be aware that supply voltage may shutdown or fluctuate.
 → … Be aware that supply voltage may shut down or fluctuate.

文自体は変えないが、shutdownは基本的には名詞の扱いである。だから「shut down」の方がよいのではと思われる。


【4】Please be considerate of other passengers while using your device.
 → While using your device, be considerate of other passengers.

ここも【2】と同様、(1)条件部分を最初に書き、(2)pleaseを削除した。


続いてWi-Fiアイコンの右にある英文である。

【5】Free Wi-Fi service is available in this train.

この文も変更はしない。しかし単にWi-Fiが使えると書いてあるだけでは、読者にとって親切ではない。どうやったら使えるかという情報があった方が望ましいのではないか。


最後に「i」のアイコンの部分である。

【6】Please check here for operating information.
 → For operating information, visit our website using the QR code:

ここは大幅に変えてみた。まず、前述のように条件部分(For operating information)を前に置いた。
続いて、元の文の「here」である。自分が一読した際、hereが何を指すのかすぐに理解できなかった。図をよく見るとさらに右側にQRコードがあるので、これがhereを指すものを思われる。実際に試してみると、QRコードからURLを読み取り、そのウェブページにアクセスして運行情報を得るという流れだった。そうであれば、この流れを明示した方がよいのではないかと思い、上記の英文に書き直した。
また文末にコロン(:)を付けた。コロンは後に情報が書かれているという目印になるので、ピリオドで文を終えるのではなく、コロンを使った。



各文について検討してみたが、実は文レベルだけではなく、情報全体の構成方法も工夫した方がよいのではと感じた。

写真を見ると、中点の後に日本語と英語がリストでダラダラと並んでいるような印象がある。そのため、明示的に「見出し」を付けた方がよいのではないか。見出しがあれば情報を見つけやすい(Googleスタイルガイド)。現状では左端のアイコンが見出しっぽくなっているようだが、リスト項目を読んだ後で初めて見出しだと気づく。それならば見出しの役割は果たしていない。付けるとしたら、たとえば以下のような見出しである。

■ Emergency
・In case of emergency, you can talk to the train crew via the intercom beside each door.
・If you find any suspicious items or unattended baggage, notify the train crew immediately.

■ Power outlet
・The power outlet located in your armrest is for laptop or mobile phone only. Be aware that supply voltage may shut down or fluctuate.
・Please be considerate of other passengers while using your device.



また、現在は英語と日本語が交互に書かれている。もし英語と日本語を分けて別々のエリアに書いておけば、ある言語での情報をいっぺんに見渡せるはずである。情報の見つけやすさを考えたら、そのような全体構成にしてもよいかもしれない。
8 10月

プログラミング英語の頻出表現解説

プログラミング英語検定のブログに、頻出英語表現を解説するコーナーを作りました。以下、初回のリンクです。

 頻出英語表現(1):詳細は◯◯を参照してください
 https://progeigo.org/english-topics/2020/expressions-01-for-more-information/

同ブログでは、Googleの開発者向け英文スタイルガイドを紹介する記事も毎月更新しています。



これに関連して言うと、主婦と生活社が運営する「CHANTO WEB」に記事を載せていただいていました(4月掲載なのに今ごろ気づいた…)。

 今の時代に必須!?プログラミング英語検定「無料で勉強できるのが嬉しすぎる」
 https://chanto.jp.net/work/qualification/134330/

記事中にあるように、プログラミング必須英単語600+や、その学習用アプリYouTube動画解説に加え、上記のような解説記事も無償で提供しているので、よかったらご活用ください。
1 9月

プログラミング英語検定の「受験スポンサー」を募集しています

私の会社で主催しているプログラミング英語検定で、「受験スポンサー」になっていただける企業や団体を募集しています(詳細ページ)。

希望する受験者に受験料の半額を支援する代わりに、合格証書などにスポンサー名を記載するという内容です。

[サンプル:合格証書の左下にスポンサーの名前とロゴ]
sample_sponsored_certificate



スポンサー関係図はこうなります。

プログラミング英語検定スポンサー関係図 hspace=

企業が自社社員の受験を支援することはよくありますが、第三者となる受験者を支援する形は非常に珍しいのではと思います。

プログラミング英語力を伸ばしたいと思っている学生やプログラマーを支援したいIT企業の皆さま、ぜひスポンサーにご応募ください!
16 7月

「プログラミング英語検定」正式版開始/団体受験モニター募集

自社で制作している「プログラミング英語検定」のベータ版が終了し、正式版が7/15に開始となりました。



これに関し、ICT教育ニュースで記事にしていただきました。

 グローバリゼーションデザイン研究所、「プログラミング英語検定」正式版を開始
 https://ict-enews.net/2020/07/16globalization/



記事中にもありますが、現在「団体受験のモニター(試用者)」を募集しています。
これはアンケート回答を条件に、企業や学校向けに10〜50人分の受験チケットを提供するというものです。
もし自社や自校で実施したいという方がいらっしゃったら、こちらからご応募ください。8月末が締切です。

以上です。
著書/訳書
血と汗とピクセル
『血と汗とピクセル』


アプリ翻訳実践入門
『アプリ翻訳実践入門』


ソフトウェアグローバリゼーション入門
インプレス刊
『ソフトウェアグローバリゼーション入門』

達人出版会刊
『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』


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現場で困らない! ITエンジニアのための英語リーディング
『IT英語リーディング』


アプリケーションをつくる英語
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『アプリケーションをつくる英語』

電子版
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第4回ブクログ大賞受賞】