rnishino

IT翻訳者Blog

翻訳、英語、ローカリゼーション、インターナショナリゼーションなどについて書いています。

英語

11 3月

速く大量に出る英語シソーラス「Power Thesaurus」

多少は英語が書けるようになると、同じ単語の繰り返しを避けたり、もっと適切な表現を探したりしたくなる。そういうときには類義語や反意語が掲載されているシソーラス(thesaurus)を当たることになる。

有名な辞書にもシソーラスはある。ただ、ウェブページの表示が遅かったり、提示数が不十分だったりすることがある。母語でもない英語を書いているときは、どうにか思い浮かべた言葉から、もっとうまく言い表せそうな表現を何としても見つけたい状態である。だから、とにかくすばやく大量に類義語を提示して欲しい。

そんな中、まさに期待通りのシソーラスが見つかった。タイトルにもある「Power Thesaurus」である。

Power Thesaurus
https://www.powerthesaurus.org/

たとえば「regarding」という言葉で検索する。すると即座に写真のように類義語が一覧で表示される。広告が少ないのも表示が速い理由かもしれない。



デフォルトでは「rating」の順に表示されるが、これは利用者たちの投票によるスコアだ。つまり、単に類語が羅列されているというより、実際に使用されていると思われる順に提示されている。

その投票はもちろん自分でもできる。写真の上矢印(緑色)や下矢印(赤色)を押せばよい。





ページの左側を見ると、さまざまなメニュー項目がある。



たとえば上部の「Lists」には「synonyms」(類義語)のほかにも、「antonyms」(反義語)、「definitions」(定義)、「examples」(例)がある。定義については、別の定評ある辞書も併せて見てもよいかもしれない。

下部の「Parts of speech」(品詞)メニューを使うと、品詞で絞り込める。「expressions」というのは2語以上の表現なので、単に英単語だけでなく、イディオムのようなものまで提示してくれるので便利である。



ユーザー投票によるシソーラスなので、専門家的視点から見るとやや怪しい部分があるかもしれない。ただ、実際にどれをユーザーが使っているかという情報は貴重である。またすでに10年以上使われている実績はある。

だから、Power Thesaurusは「速く大量に類義語を提示する」という目的に使い、定義などの確認はきちんとした辞書を活用するという合わせ技が良いのかもしれない。
22 1月

オックスフォード英英辞典のコンピューター用語一覧

オックスフォード英英辞典(OALD)にはさまざまな分野の語彙リストが掲載されており、その中にコンピューターに関連する英語のリストもある。

 Computers
 https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/topic/computers

OALD_list_computers

図を見ると、単語一覧の右側に「C2」や「B1」といった記号がある。これはCEFR(Common European Framework of Reference)の難易度である。AからCの順に難しくなり、詳細は以下のように説明されている。

・A1 and A2 indicate elementary and pre-intermediate levels of ability.
・B1and B2 indicate lower- and upper-intermediate levels.
・C1 indicates advanced level.
・C2 indicates complete proficiency in the language.

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/about/wordlists/cefr


また青いスピーカーでイギリス英語、赤いスピーカーでアメリカ英語の発音が再生される。

さらに「Filters」ボタンを使うと、以下のようなフィルターがかけられる。

OALD_list_computers_filters

CEFRで選択できるのはもちろん、下位トピック(Subtopic)で絞り込むことも可能だ。コンピューターの場合は以下の下位トピックがある。

・Computer hardware
・Computer problems
・Computer programming
・Computer software
・Using a computer

一般的な英語の辞書なのであまり専門的な単語は掲載されていないが、学習や知識確認に役立ちそうである。

(私の会社で「プログラミング必須英単語600+」を提供しており、プログラミング英語であればこちらも参考にしていただきたい。)


【追記】
Googleの開発者向け英文スタイルガイドを解説する最新記事が1/20に公開されたので、よかったらお読みください。

 英文スタイルガイド解説(3):手順の書き方
 https://progeigo.org/english-topics/2020/google-styleguide-3-procedures/
7 1月

プログラミング必須英単語600+更新、英文スタイルガイド解説の連載

私の会社で提供している「プログラミング必須英単語600+」を更新しました。新しいバージョンはv2020-01です。

初公開後にいただいたフィードバックを基に修正しました。フィードバックしてくださった皆さま、ありがとうございました。
以下の英単語の入れ替えをしています。

  • fire:「アドバンスト」に新規追加

  • auto:「アドバンスト」から「略語」に移動

  • ops:「略語」から削除


これら以外の修正は変更履歴にまとめてあります。



同じくプログラミング英語検定のウェブサイト上で、Googleが出している開発者向け英文スタイルガイドを解説する連載をしています。
毎月の掲載で、すでに2回分が公開されています。

 英文スタイルガイド解説(1):節の順序
 https://progeigo.org/english-topics/2019/google-styleguide-1/

 英文スタイルガイド解説(2):日時の書き方
 https://progeigo.org/english-topics/2019/google-styleguide-2-dates-times/

プログラミング英語検定のニュースレターを購読していただくと、この英文スタイルガイド解説(や必須英単語600+の解説)も毎月送られます。よかったらこちらから購読してください。
22 10月

名詞としての-able

IT関連のドキュメントを読んでいると、語の最後が「-able」で終わる名詞をよく見かける。これはもともと形容詞だったものが名詞化されたものだと思われる。

たとえば、プログラミングの基本用語である「variable」、つまり「変数」だ。これは語源も判明しているようで、1816年に形容詞から作られたらしい(参考URL)。最初は数学用語である。

ほかに一般辞書に載っている語としては「deliverable」がある(OALD)。「納品物」や「成果物」といった意味になる。これも形容詞からできたのではと思われる。またdeliverableを名詞で使う際は、deliverablesと複数形にすることが一般的なので注意が必要だ。

executable」も名詞として辞書に載っている(Collins)。「実行可能ファイル」という意味になる。

さらに「wearable」もOALDに掲載されている。こちらはITの文脈で言うと「着用デバイス」を指す。


こうして見ると、もともと「-able+名詞」(たとえばexecutable file)だったのに、名詞部分が抜け、「-able」だけが残って名詞化されたのではないかと想像してしまう。
そのため「-able」という名詞を日本語にする際は「納品」、「実行可能ファイル」、「着用デバイス」と、名詞を補う必要がある。


プログラミング関連資料を見てみると、辞書には載っていないものの、名詞扱いされる「-able」が数多くある。少し探しただけでも以下の語が見つかった。

・callable
・clickable
・consumable
・commitable
・drawable
・enumerable
・immutable
・initializable
・iterable
・playable
・returnable
・runnable
・scrollable
・throwable

たとえば「commitable」は「コミット可能ファイル」、「iterable」は「イテレーション可能オブジェクト」といった意味になりそうだ。いずれの場合も日本語では「ファイル」や「オブジェクト」などと適切に補って名詞であると明示しなければならない。
品詞を転換して作られる「-able名詞」の造語力は非常に高い。今後もどんどん作られるだろうから、読む側は「-able」は形容詞だけでなく、名詞の可能性もあると考えておく必要がありそうだ。


10 9月

「プログラミング英語検定」をニュース記事にしてもらいました

私の会社でベータ版を公開した「プログラミング英語検定」について、いくつかのメディアでニュース記事にしていただきました。

・IT人材ラボ
 「プログラミング英語検定」のベータ版をリリース、「プログラミング必須英単語600+」も無償配布―グローバリゼーションデザイン研究所
 https://itjinzai-lab.jp/article/detail/1852

・ICT教育ニュース
 プログラミングで求められる英語力を測る「プログラミング英語検定」開始
 https://ict-enews.net/2019/09/06progeigo/

・リセマム
 プログラミング英語検定、無料ベータ版提供開始
 https://resemom.jp/article/2019/09/09/52377.html
(なおYahoo!ニュースにも転載されています)

・EdTechZine
 プログラミングで必要な英語力を測定、「プログラミング英語検定」提供開始
 https://edtechzine.jp/article/detail/2635


【追記】9/17に「教育家庭新聞」でも取り上げていただいています。
プログラミングで必要な英語力を測る「プログラミング英語検定」を開始
https://www.kknews.co.jp/news/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%A7%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%AA%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E5%8A%9B%E3%82%92%E6%B8%AC%E3%82%8B%E3%80%8C%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9


「プログラミング + 英語」でキーワードとしてインパクトがあったのか、予想以上に反響があり、はてなブックマークの人気エントリー(9/6分)に入ったり、まとめサイトに載ったり(😅)しました。
また、ありがたいことにベータ版の受験者もかなりの数に上っています。

プログラミング英語検定のウェブサイトにも記載しましたが、もし同検定に協賛していただける団体(企業や学校など)がいれば、ご連絡いただけると幸いです。

以上です。
著書/訳書
血と汗とピクセル
『血と汗とピクセル』


アプリ翻訳実践入門
『アプリ翻訳実践入門』


ソフトウェアグローバリゼーション入門
インプレス刊
『ソフトウェアグローバリゼーション入門』

達人出版会刊
『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』


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現場で困らない! ITエンジニアのための英語リーディング
『IT英語リーディング』


アプリケーションをつくる英語
紙版
『アプリケーションをつくる英語』

電子版
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第4回ブクログ大賞受賞】